興収100億超えのメガヒットが4本、外国映画興収は前年から倍増…2022年の映画界を数字で振り返る
一般社団法人日本映画製作者連盟は、2022年の全国映画概況を発表。昨年一年間での全国の映画館の入場人員は1億5200万5000人、興行収入は2131億1100万円となり、それぞれ前年比130%以上を記録。公開本数・入場人員・興行収入のいずれもがコロナ禍前の水準に戻りつつある。
日本映画と外国映画のトータルの公開本数は1143本で、2021年より184本増加。日本映画は634本公開され、総興収は1465億円。一方で外国映画は509本公開され、総興収は665億3200万円と、興収の構成比はおよそ7対3。コロナ禍以降でより顕著になった邦高洋低の状況が現在も続いているものの、外国映画の興行収入は2021年の335億5400万円と比較して198.3%と、およそ倍増する伸びを見せている。
また、ヒットのひとつの目安となる興行収入10億円以上を記録した作品は日本映画が26本で外国映画が15本。興行収入197億円を記録した『ONE PIECE FILM RED』(公開中)をはじめ、『劇場版 呪術廻戦 0』(21)が同138億円、現在も興行が続けられている『トップガン マーヴェリック』(公開中)が同135.7億円、『すずめの戸締まり』(公開中)が同131.5億円と、興収100億円を超えた作品が4本。これは2004年と2019年に並ぶ多さで、すべて興収130億円を超えたのは初めてのこと。
日本映画で興行収入10億円以上を記録した26本を見てみると、前述の3本に次ぐのが興収97.8億でシリーズ最高成績を更新した『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』(22)と、上位4本がすべてアニメーション作品という結果に。26本のうち14本がアニメーション作品で、12本の実写作品のうち4本がテレビドラマの劇場版と、この2大ジャンルが存在感を示した。ちなみに26本の興収の合計は1038.5億円と、邦画の総興収1465億円のうちの7割を占めている。
そして外国映画では興収10億円以上となった15本の合計が、総興収665億円のうち74%の493.2億円を占めた。こちらは『トップガン マーヴェリック』を筆頭に、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(22)が興収63.2億円、『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(22)が同46億円、『ミニオンズ フィーバー』(22)が同44.4億円と続き、シリーズ作品やフランチャイズ作品のヒットが目立つ結果となった。
現在も『THE FIRST SLAM DUNK』(公開中)が大ヒットを記録しているなど、本格的に活気づいてきた映画界。2023年にはさらに多くのヒット作が誕生することに期待したい。