『別れる決心』はパク・チャヌク監督史上最も官能的?「観れば観るほど謎が増える」と古家正亨×森直人がスペシャルトーク

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『別れる決心』はパク・チャヌク監督史上最も官能的?「観れば観るほど謎が増える」と古家正亨×森直人がスペシャルトーク

パク・チャヌク監督最新作、映画『別れる決心』(2月17日公開)のスペシャルトークイベント付きのMOVIE WALKER PRESS試写会が6日、ユーロライブにて開催され、韓流、K-POP MCの古家正亨と映画評論家の森直人が登壇した。

【写真を見る】「妄想の話」だと思い込んで観ていたという2人だが、パク・チャヌク監督の回答は?
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昨年5月のカンヌ国際映画祭コンペティション部門にて監督賞受賞した本作は、本年度アカデミー賞国際長編映画賞部門の韓国代表に選出。さらに、英国アカデミー賞で監督賞と非英語作品賞にノミネートされるなど45以上の映画祭や映画賞で30部門以上の受賞を果たしている話題作。『殺人の追憶』(03)、『グエムル ~漢江の怪物~』(06)のパク・ヘイルが刑事のヘジュン、『ラスト、コーション』(07)のタン・ウェイがヘジュンの追う事件の被害者の妻ソレを演じるサスペンス・ロマンスだ。

チャヌク監督作で一番好きなのは『親切なクムジャさん』(05)と話した古家は、本作について「パク・チャヌク監督史上一番官能的な映画!」と話し、「簡単に言ってしまえば不倫の物語なんだけど、妄想なのかリアルなのか分からないところが結構あって。最初から最後まで僕はヘジュン刑事の妄想(の物語)だと思っていました」と笑顔を浮かべる。


森も「官能的、わかります」と同意しつつ、妄想の話という解釈もできると思っていたそうで、「監督が来日した時にインタビューをしたのですが、『妄想の話』なのかどうか尋ねたんです。答えは『そういう解釈もあります』でした」と明かす。余白や謎をあえて残すような描き方をする監督としながらも、監督本人の意図としては「割とロジカルに作っているので、妄想の物語とはちょっと違う。むしろヘジュン刑事とソレの“関係性の物語”」と明確に答えていたとも伝えた。

エロスを感じたシーンを熱弁
エロスを感じたシーンを熱弁

「目薬をさすシーン」をはじめ、意味ありげなシーンが多く、裏があると深読みし過ぎてしまったと話した古家。直接的には描かれていないけれど「エロティックさ」を感じるシーンはいくつかあったという。その一つがハンドクリームを塗るシーン。「とにかくいやらしい(笑)。タダごとじゃない関係性の塗り方で、尋常じゃないと思いました」と熱弁。「(ハンドクリームを塗る)あの手のシーンが一番エロティック。絡みのシーンよりいやらしいと感じました」とエロティシズムを感じた描写に触れた。

「本作のセットもすごい!」と目を輝かせた古家は「『お嬢さん』の時もすごかったけれど、今回もシーンごとにそれぞれの部屋にある置物ひとつひとつに、なにか意味があるんじゃないかと思いました」とコメント。チャヌク監督の作品には「セリフが少なく、美術をじっくり見せるようなシーンがやたらと多いと思います。なので『セットにしゃべらせていますか?』と監督に訊いたんです」と話す古家に、森が「“セットにしゃべらせる“、名言ですね」と笑顔。チャヌク監督の答えはYESだったそうで、だからこそなにか意味がある、伏線かもという気持ちになるシーンが多い作品だと改めて感じたとも語っていた。

チャヌク監督のインタビュー時の貴重なコメントを明かす場面も
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