トム・ハンクス最新作『オットーという男』息子トルーマン・ハンクス抜擢秘話が明らかに
トム・ハンクスの最新作『オットーという男』が3月10日(金)に公開となる。このたび、トムの息子トルーマン・ハンクスが、若き日のオットー役に抜擢された経緯が明らかとなった。
本作は、世界的ベストセラー小説「幸せなひとりぼっち」を、『プーと大人になった僕』(18)のマーク・フォースター監督、トムのプロデュースでハリウッドリメイクするもの。正反対な家族との日々を通して、もう一度「生きる希望」を見つけていくオットーの物語を、ユーモアあり、涙ありで描いている。2度のアカデミー賞に輝くトムが嫌われ者の主人公、オットーを演じる。原作の「幸せなひとりぼっち」は、同タイトルで映画化され2017年のアカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされた。この作品に魅せられ自らプロデューサーも務めるトムがオットーの喜怒哀楽や心の変化を演じ上げている。
本作では、トムとリタ・ウィルソンの息子である、トルーマンが本作で俳優デビューをはたしている。トルーマン演じる若き日のオットーと最愛の妻、ソーニャの交際の様子は、回想シーンで語られる。若いオットーを誰に演じてもらうか、という問題にフォースター監督は頭を悩ませたが、プロデューサーでトムの妻であるリタは「マークが言っていたんです。自分が映画を観ていて興ざめするのは、キャラクターが若かった頃の回想シーンで、若い俳優の見た目や立ち居振る舞いが年配の俳優に似ていないときだって。彼からトムの息子で俳優のコリンとチェットのことを聞かれましたが、二人にはこの役は若すぎました。その年頃のトムに一番よく似ているのがもう一人の息子トルーマンなんですが、彼は役者ではありません。でも彼に会わせてほしいとマークに言われたんです」と、今回の経緯を振り返っている。
また、フォースター監督は、「トルーマンとはニューヨークで会いました。80年代後半の頃のトムが目の前に座っている気がしました。嬉しかった。彼はすごく魅力的でした。自分は役者ではない、とはっきりと言ってくれたのもその魅力の一つでした。一緒に本読みを少ししてみたら、すごく自然で素晴らしかったんです。しっくりときて自然な感じがしたんです」と起用した際のやり取りを振り返っている。映画業界で撮影の仕事に携わっているトルーマン自身は、俳優デビューとなった今回の抜擢について「滅多にないチャンスでした。まだ決めかねているときに、友人が『この役を演じることで、今後自分のカメラワークや判断に役立つことがあるはずだ。カメラの前に立つ人の気持ちがわかるだろう。映画は協同作業で作りあげるものだから、役者の仕事を経験することでわかることがあるはずだ』ってね」と、友人に背中を押してもらったことを語った。
また、トルーマンは「父は、いろいろな立ち方、歩き方について教えてくれました。たとえば、父がオットーを演じるときに取り入れた、指をさす仕草など、いくつかの癖についても教えてくれました。一貫性を持たせられるように」と父、トムからもアドバイスをもらったことを明かした。ぜひ、トルーマン演じる若き日のオットーにも注目しつつ本作を楽しみたい。
文/鈴木レイヤ