『レジェンド&バタフライ』で木村拓哉に市川染五郎が「間近で勉強させていただいた」、音尾琢真は「一生ついていきたい」
木村拓哉が日本史上の“レジェンド”織田信長を、綾瀬はるかが謎に包まれた信長の正室、濃姫(別名“帰蝶”)を演じた東映70周年記念作品『レジェンド&バタフライ』(公開中)。本作で、木村と共演した市川染五郎、音尾琢真、大友啓史監督が登壇する「殿!大ヒットおめでとうございます」舞台挨拶が、2月20日に丸の内TOEIで開催され、染五郎たちが座長である木村へのリスペクトを語り合った。
信長に13歳のころより仕え、身の回りの世話をする森蘭丸役を好演した染五郎と、信長が絶大な信頼を寄せる豊臣秀吉役を演じた音尾琢真。公開24日間で152万人を動員し、累計興行収入19.7億円を突破した本作の反響について染五郎は「周りの友達も観てくれたのですが、自分も3日前に映画館に観に行きました。それまで試写室でしか観ていなかったのですが、実際の大きなスクリーンで観ると迫力が違いました」と答えると、同じくこの日、映画館で作品を鑑賞したという音尾は「この映画は迫力がすごいです。音にも相当気を遣って作られているので、その効果が発揮されるのがやはり映画館だなと思いました」と語った。
また、音尾は「いろいろな方から『観たよー!出てたんだね!』と言われるんですよ。あれ、知らないで観てる?ということが多くて。それはそうだよな…ポスターは木村さんと綾瀬さんメインだからな、とちょっと寂しい気持ちになりました」と冗談交じりに話すと、すかさず大友監督も「今度ちゃんと大きくいれるよ!(笑)」と返し、会場は大爆笑。
大友監督は「反響はすごく良いですね。この作品、オリジナルの時代劇で、いまの時代では、いくら題材が信長とはいえど、なかなか挑戦的な試みでした。プロデューサーからも新しい時代劇を作ってほしいと言われ、作ったのですが、いろいろな方から『時代劇のよさを見直した』と言っていただけてうれしいです」と手応えを口にした。
染五郎は本作で時代劇映画に初出演したが「初めてだったので慣れない部分もありました。歌舞伎の舞台の時とは、周りの方々の環境もまったく違うなかに1人で入らせていただいたので、不安もありました。同時期に昨年の大河ドラマの撮影もしていたので、テレビドラマの撮影や時代劇映画の撮影など、初めてのいろいろな経験をさせていただきました。この先の役者人生で、あれがスタートだったんだなと思う瞬間が出てくるのだろうと思います」と、感慨深げに答えた。
音尾は、秀吉役を演じるにあたり、特殊メイクを施したが、木村は現場で音尾の顔を見て思わず笑ってしまったとか。それについては、大友監督と結託し、メイクのひげや眉毛をわざとずらしたのではないかという疑惑も浮上。音尾は「木村さんは現場に入ってからずっとニヤニヤと楽しそうに僕の顔を見ていました。普段木村さんのメイクをしていらっしゃった方にメイクしていただいたので、もしかしたらそういうことも踏まえて僕の顔を作ったんじゃないか…という疑念がいま生まれてきております(笑)。でも、木村さんが信長で、僕が秀吉って、どんな表情をすればいいのだろうと思っていたので、メイクの酒井(啓介)さんのおかげですっと現場に入ることができました」と、印象深いビジュアルの誕生秘話を明かした。
共演シーンはほとんどなかった染五郎と音尾。染五郎は「ひと目見たら忘れられないビジュアルで、インパクトがすごかったです。今日お会いしたら金髪にされていて、よりインパクトがすごかったです」と言うと、音尾は「素の自分ではいられないんです(笑)」と笑う。
そして、「殿!大ヒットおめでとうございます」舞台挨拶と銘打たれた今回のイベントにちなみ、主役として作品を引っ張ってきた殿である木村へのメッセージを求められると、市川は「共演させていただいて、チームの芯に立つということを間近で勉強させていただきました。たくさんの方にこの作品を観ていただいて、蘭丸として出させていただいた自分としてもうれしいですし、芯に立たれていた木村さんもその気持ちはとても大きいと思います」とコメント。
音尾は「映画の冒頭で、やぐらを一気に駆け上がるシーンがあるのですが、これ何回やったんだろうと思うんです。映像に若かりしころの信長を届けたいと思い全力疾走する姿を観ることができて、いろんな意味で冒頭から感動しました。殿!さすがです!一生ついていきたいです!と思える魅力がある方です」と、熱い想いを語った。
最後に染五郎は「この作品を観て、一緒に戦国の世を生きてから帰っていただきたいと思います。映画館ならではの迫力を体感していただきたいです」と言うと、音尾も「パートナーと一緒に観ていただくと、もらえる想いがたくさんあると思います」と締めくくり、熱狂に包まれたなか、イベントは終了した。
文/山崎伸子