山田裕貴&間宮祥太朗&岡山天音が熱弁!スクリーンで“鳴り響く映画”『BLUE GIANT』は「理屈ではなく、運命的なキャスティング」
「理屈ではなく、運命的なキャスティング」(岡山)
――改めて、お互いに「この人はこの役にピッタリだった」と思われるような点があれば教えてください。
山田「間宮くんの声質は色っぽくて、さらに男らしさもある。包み込むような優しさもあって、雪祈にぴったりでした。今回の共演を通して、僕は間宮くんの新しい部分をどんどん知っていっている気がして、いい意味で『簡単な男じゃないな。この人には、もっと深いものがあるな』と思わせてくれる人です。『感覚派なのかな』と思っていたのが、思考を深めながら物事を受け止めている思考派の部分が見えてきたりして」
間宮「たしかに。いろいろと考えて、物事を受け止めるようにはしていますね」
岡山「すごくわかる。お芝居についても、めちゃくちゃきめ細かく考えている。知性派です」
間宮「天音くんは、ものすごく努力家。絵を描いたりもしていて感性の部分ですごいなと思うところも多いんですが、今回改めて努力の人なんだと感じました。アニメ映画に初挑戦するという、僕と同じ状況にも関わらず、アフレコ初日から『え?(過去にも声優のお仕事を)やってた?』と思うような演技を見せていた。現場では、いじりのように『やってた?』と天音くんに言っていましたが、あれは僕の本心です。スタート地点であそこまで持っていっていた天音くんは、本当にすごい」
山田「そういうところ、まさに玉田だよね」
岡山「影の努力だから、言わないで!」
山田「筋トレも大好きだしね(笑)」
岡山「僕は、理屈ではなく、運命的なキャスティングだなと思いました。2人の声が入っている完成作を観て、『こういう声だ』というのが自然すぎてなにも思わなかったんですよね。原作を読んでいる時には、雪祈の声に関しては僕のなかにまったくイメージがなかったんですが、映画を観て『これが雪祈の声なんだな』と思った。僕らの同世代にはいろいろな俳優がいて、役のポジションを競うこともあると思いますが、大と雪祈に関しては、ほかの誰でもない。この2人しかいないというのを、理屈抜きで感じています」
――山田さんは、原作を読んでひたむきに夢を追う大の姿にシンパシーを感じていたそうですね。そういった意味でも運命的なキャスティングと言えそうです。
山田「僕は、大のような人になりたいなと思っています。大には自分のことを信じる力があるし、音楽の力も信じていて、雪祈や玉田をはじめ、人のことも信じている。なにかを信じることって、人間にとってとても難しいことだと思うんです。それを簡単にやってのけるのが大なので、演じるうえでもその力は表現したいなと思っていました」
間宮「裕貴くん自身に大のような部分があるからこそ、『大のようになりたい』と感じられるんだと思う。たとえば大谷翔平選手のように野球を二刀流でやるような前例のないことをしている人を見て、『そうなりたい』ってなかなか思えないですよね。裕貴くんは一緒に話していても、真摯に世の中や自分に向き合っているのがわかるし、信念を持って人生を考えているなと感じていて。大のような部分を持っている人だなと思っています」
取材・文/成田おり枝