北米V2の『アントマン』を追い詰めたのは、コカインでハイになったクマが大暴れするコメディ!|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
北米V2の『アントマン』を追い詰めたのは、コカインでハイになったクマが大暴れするコメディ!

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北米V2の『アントマン』を追い詰めたのは、コカインでハイになったクマが大暴れするコメディ!

先週末(2月24日から26日)の北米興収ランキングは、前週にオープニング興収1億ドル超のスタートを飾った『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(日本公開中)が2週連続のナンバーワンを獲得。公開10日目の時点で北米累計興収1億6700万ドルに到達し、前作『アントマン&ワスプ』(18)の10日間興収を3000万ドルほど上回る興収を積み上げている。とはいえ、いくらか先行きが不安な要素も見受けられる。

初登場の前週末から大幅な興収の下落に見舞われた『アントマン&ワスプ:クアントマニア』
初登場の前週末から大幅な興収の下落に見舞われた『アントマン&ワスプ:クアントマニア』[c]Everett Collection/AFLO

『クアントマニア』の2週目末の3日間の興収は3196万ドル。ロケットスタートを飾った前週から69.9%減という大幅な興収減となった。参考までに直近のMCU作品のオープニング週末から2週目末の推移を振り返ると、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(21)が67.5%減、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(22)が67%減、『ソー:ラブ&サンダー』(22)が67.7%減で、『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』(22)が63.3%減。

元々初動に傾きやすいマーベル作品とはいえ、上記の通り年々その下げ幅が大きくなりつつある(コロナ禍前は50~60%減が多かった)。ちなみに今回の『クアントマニア』の成績は、『モービウス』(22)の 73.8%減、『X-MEN ダーク・フェニックス』(19)の71.5%に次ぐ、再上映ではないマーベル作品では3番目に大きい減少率となる。平日に入ってからの興収の下落も著しく、これから続々公開される春シーズンの大作に押されて前作の最終興収に届かない可能性もありえそうだ。

そんなアントマンを追い詰め2位に初登場を果たしたのは、昨年5月に亡くなったレイ・リオッタの遺作となったホラーコメディ映画『Cocaine Bear』。1985年に起きた、大量のコカインをクマが食べてしまったという実際の事件をモチーフにして、コカインの過剰摂取でハイになったクマが大暴れするという本作。メガホンをとったのは「ピッチ・パーフェクト」シリーズなど女優や監督としても活躍するエリザベス・バンクス。

突拍子もない設定が公開前から大きな話題を集めており、オープニング興収は2326万ドルと上々。平日の興収では『クアントマニア』を上回る日も見受けられ、製作費の3500万ドルを回収する可能性は充分。「ロッテン・トマト」でも批評家の69%、観客の75%から好意的評価を獲得しており、インパクト重視の作品にしては大健闘。フランチャイズ作品が台頭する昨今ではあるが、今年に入ってから『M3GAN/ミーガン』(6月9日日本公開)や『ノック 終末の訪問者』(4月7日日本公開)とオリジナルのホラー、スリラー映画の好調が目立っている。


3月に入り春の大作シーズンが到来!次週から毎週大型続編タイトルが公開に
3月に入り春の大作シーズンが到来!次週から毎週大型続編タイトルが公開に[c]Everett Collection/AFLO

3月に入り、北米では『クリード 過去の逆襲』(5月26日日本公開)を皮切りに、「スクリーム」シリーズの新作や『シャザム!〜神々の怒り〜』(3月17日日本公開)、「ジョン・ウィック」の第4作と、毎週立て続けに大作が公開される。今年の春シーズンを制するのはどの作品なのか、引き続き注目していきたい。

文/久保田 和馬

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