『BLUE GIANT』でも話題のブルーノート東京、行ったことある?日本最高峰のジャズ・クラブを体感してきた
蛍光色の凄腕ベーシスト、モノネオンが登場!
この日行なわれたのは、新世代の凄腕ベーシストとして世界的に注目を集めるMONONEON(モノネオン)の来日公演。アメリカ、テネシー州出身のモノネオンはプリンスやNe-Yo、Nasなどの大物アーティストとプレイしてきた経歴を誇り、自身もアーティストとして活躍中。本公演は、ギターとキーボード、ドラムのメンバーを従えてのものだ。ジャズというよりはソウル~ファンクのアーティストだが、ブルーノートではジャズに軸足を置きながらも、異なるジャンルのアーティストを洋邦問わず積極的に招聘しており、音楽の多様性を世に伝えている。
客電が抑えられると、いよいよステージのスタート。モノネオンとバンドの面々は拍手に迎えられ、客席を横切ってステージに向かう。演者が客席を通ってステージに上がるパフォーマーのマナーは、これまた『BLUE GIANT』で描かれていたとおりだ。トレードマークの蛍光色をあしらったコスチュームに身を包み、蛍光色の靴下をヘッドにかぶせたベースを奏でながら歌うモノネオン。真剣に耳を傾け、リズムをとるオーディエンス。
最高の音響環境で観るライブに観客のボルテージも最高潮!
当然といえば当然だが、とにかく音がいい。天井から吊るされたスピーカーは、あらゆる客席に音が届くよう多方向に設定されている。各楽器のソロ演奏もくっきりと響き、実に心地よい。会場で飲んだビールの酔いも手伝い、立ち上がってつい踊ってしまったが、店員の方に訊くと「ほかのお客様にご配慮いただければ問題ありません」とのこと。ジャンルによっては、スタンディングで鑑賞するオーディエンスが多くなる日もあるとのことだ。
熱気に満ちあふれたパフォーマンスを終え、拍手や歓声に送られて、モノネオンとバンドメンバーは、最初に通った客席内の通路を横切り、去っていく。演奏は文句なしに素晴らしかった。それを支えているのが、ブルーノート東京の独特の空気感。演者と観客の距離が近いということもあるが、音の良さも相まってサウンドとオーディエンスの距離も近いものとして感じられた。音楽との緊密な関係を築ける場所、それがブルーノート東京とも言えるのではないだろうか。
ライブ後は“Bar BACKYARD”で余韻に浸ってみては?
終演後もドリンクやデザートのオーダーは可能。また、地下ロビーには“Bar BACKYARD”というバーも併設されており、グラスを傾けながらライブの余韻に浸ることもできる。未成年である『BLUE GIANT』の主人公たちよりも上の年齢の方には、ぜひオススメしたい。
取材・文/有馬楽