【ネタバレあり】「マンダロリアン」グローグーが初めて●●●った!?大活躍のシーズン3第2話をレビュー!
「マンダロリアン」シリーズのエピソードとしては、かなり異質な展開が…!
かわいらしいといえば忘れてはいけないのが、ジャリンを父のように慕い、冒険に同行するザ・チャイルドこと、グローグー(今回はなんとペリ・モットーの前で初めてちゃんとした言葉をしゃべる姿も!)。課題“1”をこなすためにマンダロア星に飛ぶも、探索に出たR5がなかなか戻ってこない。その身を案じ、“助けに行って”とばかりに大きな目で哀願するグローグー。こうなると親バカ、ジャリンも外に出ないわけにはいかない。かくして彼は汚染されているのかどうかも確認できないまま、ヘルメット内を与圧して、慎重にマンダロア星に降り立つ。
結論からいえば、課題“1”もここであっさりクリア。地下に埋没した都市へと、ジャリンとグローグーは歩を進めるのだが、ここからアドベンチャーは本格化する。文明は死に絶えても、文明人ではない狂暴な生物は生き延びている。深く潜れば潜るほど暗さを増し、危険度を高めていく地下世界のスリルは格別だ。
この展開は「マンダロリアン」シリーズのエピソードとしては、かなり異質。過去のエピソードはウエスタンやチャンバラなどの時代劇の要素をフィーチャーしてきたが、今回はジュール・ヴェルヌやH.G.ウェルズ的な未知の世界を行く古典冒険活劇の世界へと突入していく。実際、ジャリンもグローグーも、これまでまったく知らなかった世界を行くわけだ。しかも、外宇宙との連絡がとれない環境に置かれているのだから、なにかあった時に救助されることも望めない。これは緊張感にあふれた設定として生きている。
冒険は、このあと、第1話のラストでジャリンが再会した、シリーズでもおなじみのマンダロア人ボ=カターン(ケイティー・サッコフ)もマンダロアにやってくることでエキサイティングな色を帯びてくる。グローグーがフォースを使う見せ場もある。さらにラストでは、マンダロリアンの伝説に語られている生物ミソソーが…。詳しくは本編を観ていただきたい。
最後に、ここまでの2話でシーズン3の鍵を握ると思ったことについて触れておきたい。それは「ジャリンがグローグーをマンダロリアンとして育てようとしている」ことだ。フォースを持つグローグーは、一度はジェダイの修行を受けたが、「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」で描かれたように、それを捨ててジャリンのもとに戻ってきた。第1話と同様に、今回も銀河を航行中、ジャリンはグローグーにマンダロリアンとして生きるために大切なことを語っているが、それはマンダロリアンのスーツを身に着けていた『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(02)のジャンゴ・フェットと、幼い息子ボバの姿にも重なる。
思い返せば、ジャリンは異星で生まれた孤児であり、マンダロリアンの養父に育てられて戦士となった。同じく孤児のグローグーも、いまやマンダロリアンのジャリンに育てられているわけで、歴史は繰り返すのか否か、いやがおうにも興味がわいてくる。そもそもグローグーの横長の耳が、あのヘルメットに収まるのか!?…という疑問もないではないが、それを心配するのはまだ先の話。しばしスリリングなアドベンチャーを見守ろう。
文/相馬学