【リレー連載第3回】永田裕志が胸躍らせる『聖闘士星矢 The Beginning』の可能性「世界への羽ばたきに期待しかない」
新田真剣佑がハリウッド映画初主演を果たし、車田正美の大ヒット漫画「聖闘士星矢」を実写映画化した『聖闘士星矢 The Beginning』(公開中)。本作で描かれるのは新田扮する主人公、星矢のはじまりの物語。幼いころに姉と生き別れになり、スラム街の地下格闘技で生計を立てていた星矢は、ある男との出会いをきっかけに、女神アテナの生まれ変わりの女性、シエナを守るという自らの使命を知ることとなる。
タイトルの「The Beginning」とは“はじまり”のこと。星矢が自身のなかに秘められた力、小宇宙(コスモ)の存在を知り、シエナを守る使命を告げられ、聖闘士としての道を歩みだしたように、誰の人生にも“はじまり”がある。「運命を、超えてゆけ。」という映画のキャッチコピーは、そんな“はじまり”を迎えた聖矢を鼓舞する言葉だ。MOVIE WALKER PRESSでは、世代を超えて人々に感動と勇気を与えるべく戦い続けるプロレスラーたちにその言葉を重ね、プロレス界のスター5人にインタビューを実施。「私の“The Beginning”」と題して、プロレス人生での出会いや気づき、ターニングポイントなどを語ってもらった。熱い想いを抱く彼らの言葉から、明日を生き抜くメッセージを受け取ってもらいたい。
第3回に登場するのは2023年2月に史上最年長で三冠ヘビー級王座を戴冠し、グランドスラム達成も話題となった永田裕志。「聖闘士星矢」原作者の車田と親交があり、車田の漫画が原作となったアニメ「リングにかけろ」や「聖闘士星矢」シリーズの劇場公開作品第5弾『聖闘士星矢 天界編 序奏〜overture〜』(04)で声優として出演した永田は「(車田先生から)少し前にハリウッド映画をやると聞いていたので、ついに公開!という感じです」としみじみ。「実写ならではのスケール、アクション、そこにCGなどいろいろな技術が加わると想像しただけでワクワクします」と本編に大きな期待を寄せている。
「プロレスラーは自分の持っている力で生きた証を世の中に投影できる仕事」
アマチュア・レスリングを経て1992年、24歳の時に新日本プロレスに入門。「将来は体育教師になるという夢を持っていたのですが、レスリングでオリンピックを目指していたころに、なぜか“死”についてすごく考えることがあって。人間はいつ死ぬかわからない、死んだあとはどうなるのかと考えるなかで、人生は一度きり。自分の生きた証、生き様を残したいと思うようになりました。“残す”とはどういうことかを考えた結果、世の中に投影する仕事をしよう、プロレスだ!って。プロレスは小さいころからテレビで観ていてずっと好きだったし、自分の持っている力で生きた証を世の中に投影できる仕事だと当時の僕は考えたんでしょうね(笑)」とプロレスラーを目指した経緯を明かした。
2001年8月の「G1 CLIMAX」で武藤敬司、蝶野正洋を連破して初優勝。翌2002年には第31代IWGPヘビー級王座に輝き、当時の歴代最多防衛記録V10を達成した。33歳でトップに上り詰めた当時の新日本プロレスは「巨大化した組織のなかで、選手各々の思惑がぶつかり合い、少しずつ歪みが出ていました」と指摘。トップ選手の離脱や組織の上層部が変わる状況で「自分がしっかりと試合を見せることでお客さまを満足させなきゃいけない」という想いがどんどん強くなっていった。
「先輩たちに任せておけない。自分がやってやるぞ!という気持ちで試合に挑んだ結果、G1 CLIMAXを掴むことができました。ちょうど入門から10年目のころ。自分が新日本プロレスの柱となりメインをしめる。自分だけのためではなく、ほかの選手、会社、そこで働く社員の生活を背負う。それがトップに立つということ、柱になるために必要なことだと思っていたので、G1 CLIMAX初優勝は確実に僕のターニングポイント。プロレスラーは個人競技だけど、いろいろなものを背負って戦うのが新日本プロレスのトップの人間だと認識しました」。
プロレス界のスターが語る「私の“The Beginning”」
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■第1回 棚橋弘至の“The Beginning”
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