【リレー連載第3回】永田裕志が胸躍らせる『聖闘士星矢 The Beginning』の可能性「世界への羽ばたきに期待しかない」
「世界のビジネスの規模は我々が想像する以上のもの」
新日本プロレスも海外で興行を行っている。日本の漫画「聖闘士星矢」のハリウッドに進出にリンクする部分はあるという。「数年前に車田先生からハリウッド映画になるかもしれないと聞いていて。当時もすごいと思ったけれど、本当に実現しちゃいましたね。世界市場は日本と違ってとてつもなく広大です。車田先生、そして『聖闘士星矢』の可能性はすごいものだと思います」と満面の笑みを浮かべる。
新日本プロレスも世界に向けて動くなか、数年前にアメリカを訪れた際には、自身も市場のスケールの大きさを体感した。「若手時代に1年半、アメリカで海外修行をしました。いま、アメリカの試合に出ると、バックステージで当時の仲間や僕の試合を見たという若い選手がひっきりなしに挨拶にやってきます。『僕、そんなにすごいことしたっけ?』と思うくらい熱烈な歓迎で(笑)。生中継のオープニングに僕の試合を持ってきてくれたりするんです。日本のプロレス人気はやっぱりすごいなって。コロナ禍で5,000人収容のステージに500人しか入れられなかったけれど、スケールの大きさはしっかり体感できました。アメリカ、そして世界のビジネスの規模は我々が想像する以上のもの。『聖闘士星矢』はすでに世界中で人気だけど、この映画『聖闘士星矢 The Beginning』の可能性は我々の想像を遥かに超えていると思います。世界への羽ばたきには、期待しかないです」と自身の経験を重ね、日本コンテンツの世界進出への期待を熱弁した。
今年55歳。現役を続けるなかで大切にしているのは「限界を決めないこと。終わりを決めてしまったら、その先には絶対に進めません。現役でやっている以上は、常に最高の状態で試合を迎えたいという想いで31年間ひたすら続けてきました。その結果、ご縁に恵まれていまがあるわけですから」と笑顔。「若い選手がどんどん出てきているなかで、僕らが1歩、2歩引くことで会社の新陳代謝を促進することも大切。と同時に、自分を鍛え抜き100の状態を常に作り続けてきた結果が今年の三冠ヘビー級王座にもつながりました。いつまでやれるかはわからないけれど、現役でいる限りは、常に100の状態をリングで披露できるように調整し続けるつもりです」と力強く現役続行を宣言。
自身のプロレスラー人生を振り返り「僕のビギニングはプロレスラーになったこと」とまとめた永田。「プロレスラーになったことで、スケールの大きい世界を見ることができました。世界は広い。そのスケールに負けないよう、記憶に残る永田を残していきたいです」。『聖闘士星矢 The Beginning』は“はじまり”の物語で、ハリウッドでの俳優としてのキャリアを本格スタートさせた新田には、今後、世界規模の大作への出演が控えている。本作は、新田の伝説の“はじまり”とも言える作品。永田もまた、新たな伝説を積み重ねていくべく、55歳になったいまも進化し続けている。
取材・文/タナカシノブ
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