パク・ソジュン×IUが初共演!韓国を席巻中のスポーツコメディ『ドリーム』は『エクストリーム・ジョブ』以来のイ・ビョンホン監督作
今回はTVプロデューサー役!これまでとは違う新鮮な魅力を放つIU
ドラマ「マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜」などですでに演技力は証明済だったIUは、初めてのスクリーンデビュー作となる『ベイビー・ブローカー』(22)で未婚の母を演じ、カンヌ国際映画祭で世界的な視線を集めて俳優としてステップアップした。そんな彼女が、『ドリーム』でユニークな姿を見せる。
テレビプロデューサーのソミンは、常に笑顔を振りまく社交性のある女性だ。一方、研修社員などに情熱を試すとの理由で劣悪な処遇をする“才能ペイ”、いわば“やり甲斐搾取”で情熱も貯金も底をついてしまい崖っぷちでもある。ホームレス・フットボールワールドカップの国家代表を知った彼女は、彼らの無謀なチャレンジを追うドキュメンタリーをなんとか完成させようと躍起となる。
現実主義的なキャラクターであるソミン役を演じたIUは、弾むような表現力でキャラクターと見事にシンクロした。 プロデューサー役のため、カメラの握り方など基礎から新しく学ぶなどディテールにこだわったのはもちろん、リズミカルなセリフと演技をマスターするために努力を重ねたことで、IUだけができる唯一無二なキャラクターが立ち現れた。 初共演となるパク・ソジュンは「キャラクターと作品についてたくさん研究を重ねる俳優だ。 最初から最後まで会話の調子がよく、楽しく撮影できた」と称賛を惜しまない。
ホンデとソミンはいつも熱い舌戦を繰り広げるが、セリフの端々にはむしろ仲の良さがにじむ。パク・ソジュンが「IUさんの余裕、柔軟さ、努力を感じるとともに、すばらしいシーンが出来ると信頼していた」とリスペクトを示すと、IUも「パク・ソジュンさんとは初対面からぎこちなさがなく、アンサンブルがとても良かった」と語る。イ・ビョンホン監督のエッセンスを確実に吸収した2人の才能が、本作をより見ごたえある作品にしている。
それぞれの理由で夢から遠ざかってしまった全員が心を一つにし、不可能に立ち向かおうとする『ドリーム』。トップクリエイターと選りすぐりの俳優たちによる熱いシナジーがみなぎる本作が、劇場を活気づけている。
文/荒井 南