『名探偵コナン 黒鉄の魚影』のカギを握る”灰原哀”ってどんな人物?彼女の魅力を深掘り!
そんな灰原が、誰かに贈ってきたセリフの数々からは彼女の人となりがにじみ出ている。ここからは、劇場版「名探偵コナン」シリーズのなかから、彼女の本質に迫る印象的なシーンがある3作品を紹介していく。
「私は誰で、私の居場所はどこにあるんだろうって…私には、席がないのよ…」
劇場版第5作となる『名探偵コナン 天国へのカウントダウン』(01)では、初めて黒ずくめの組織が本格的に登場。オープン間近の高層ビルで連続殺人事件に遭遇したコナンたち少年探偵団は、自分たちで犯人を突き止めようと捜査を開始する。そんななか、灰原は自身の境遇ゆえ、少年探偵団のなかにいても居場所を見つけることができずにいた。物語では、彼女に純粋無垢な歩美たちが優しく手を差し伸べる姿が描かれており、少年探偵団との関わりを経て少しずつ居場所を見いだしていく灰原の姿は必見だ。
「ダメよ工藤君、諦めちゃ。お助けキャラがいないなら、あたしたちにとってのホームズはあなた。あなたにはそれだけの力がある。ホームズに解けない事件はないんでしょ?」
人工頭脳“ノアズ・アーク”と命懸けのゲームに挑む劇場版第6作『名探偵コナン ベイカー街の亡霊』(02)。事件の手がかりをつかむため仮想空間でのゲームに参加したコナンをはじめ、50人の子どもがノアズ・アークによって人質となってしまう。彼らの命を救うため、ノアズ・アークの妨害を受けながらもクリアを目指すコナンを中心に物語は進んでいく。ゲームオーバーの危機に陥ったコナンを、灰原は挺身して守るだけでなく、ホームズファンのコナンに向けた最高の激励を送り、挫けそうになる彼を奮い立たせた。そんな彼女のセリフから、灰原がコナンへ絶大な信頼を寄せていることがうかがえる。
「あなたを見つめていると後悔するらしいから」
劇場版第19作『名探偵コナン 業火の向日葵』(15)では、ゴッホの連作「ひまわり」をめぐるコナンと怪盗キッド(声:山口勝平)の攻防が描かれる。キッドが凶行を繰り返す一方で、灰原がコナンに対してなんらかの特別な感情を抱いていることを示唆するような場面が登場する。タイトルにもあるように、キーワードは「ひまわり」。本作を観れば、「ひまわり」の花言葉である“私はあなただけを見つめる“のような感情を、もしかしたら灰原が抱いているのかも…?と思わずにはいられない。
このように多くの人々を惹きつける彼女には、ほかにもまだまだ魅力や心に残るシーン、セリフがたくさんある。灰原哀をもっと深く知りたくなった方は、原作はもちろん、アニメや劇場版過去作そして公開中の『名探偵コナン 黒鉄の魚影』を観て、ここで語り切れなかった彼女の魅力を探してみてほしい。
文/高木郁