SDGsを先取り?“断捨離”に“シェアハウス”も取り入れた、江戸時代の節約術

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SDGsを先取り?“断捨離”に“シェアハウス”も取り入れた、江戸時代の節約術

浅田次郎の傑作時代小説を、『老後の資金がありません!』(21)の前田哲監督が神木隆之介を主演に迎えて映画化した『大名倒産』(6月23日公開)。ある日突然、一国の殿様になったプリンスが、藩の借金を返済するために一世一代の節約プロジェクトに挑む本作は、現代にも通じる節約術が次々と登場することも見どころの一つ。そこで本稿では、知恵と工夫が随所に散りばめられた『大名倒産』流の“節約術”を紹介していこう。

【写真を見る】武器も屋敷も売却…参勤交代ではキャンプも!?次々と飛び出す驚きの節約術
【写真を見る】武器も屋敷も売却…参勤交代ではキャンプも!?次々と飛び出す驚きの節約術[c] 2023映画『大名倒産』製作委員会

徳川家康の子孫だと言われ、越後丹生山藩の若殿となった青年、松平小四郎(神木)。庶民から一国の殿様となった小四郎だったが、実は藩には25万両、現代の貨幣価値で100億円にものぼる借金があった。返済できなければ藩は倒産し、小四郎は切腹になってしまう。いきなり絶体絶命の大ピンチを迎えた小四郎は、仲間たちと共に奇想天外な節約プロジェクトに挑むこととなる。

小四郎と幼なじみのさよ(杉咲花)たちがまず目をつけたのは、屋敷に眠っている家財道具や武具の数々。武士にとっての命とも言える武具だが、小四郎は「武器を持つから戦になる」と考え、結果的に使わない武具はすべて売却。さらにさよも来客用の布団など、使用頻度の少ない家財はきれいさっぱり売却。“断捨離”や“ミニマリスト”という言葉が身近になり、人々がモノに対する価値観や向き合い方が変化し始めている現代にも繋がる節約術だ。


使用頻度の少ない武具や家財を売る“断捨離”を行う小四郎
使用頻度の少ない武具や家財を売る“断捨離”を行う小四郎[c] 2023映画『大名倒産』製作委員会

さらに丹生山藩が持つ広いお屋敷を手放し、兄の新次郎(松山ケンイチ)や喜三郎(桜田通)らと“シェアハウス”を始める小四郎。膨大な費用がかかる参勤交代でも出費を抑えるべく宿を取らずにみんなでキャンプを行ない、挙句の果てには小四郎の下肥を売るという究極のリサイクルも。“もったいない精神”のもと、江戸時代にSDGsな取組みを実践していた小四郎たち。

はたして彼らは100億円の借金を完済して藩を救うことができるのか。その結末は、是非とも劇場で確かめてほしい!

文/久保田 和馬

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