長塚京三、70代俳優が主演の映画完成に喜び!横浜国際映画祭“船上パーティ”でAKB48倉野尾成美らがスピーチ
映画と横浜の魅力を国内外に発信することを目的に立ち上げられた「第1回横浜国際映画祭」が、5月3日に開幕。華やかなレッドカーペットイベントの後には船上パーティが行われ、映画人がそれぞれの作品を熱くアピール。ゴージャスな雰囲気と共に映画祭が幕を開けた。
横浜国際映画祭実行委員会(実行委員長:菅野充)が開催する「横浜国際映画祭」は、横浜みなとみらいエリアにて行われる新たな映画祭。5月3日〜5日(金・祝)の3日間にわたりレッドカーペットイベント、船上パーティ、プレミア上映、映画音楽コンサートやトークショー、モリコーネ特集など様々なイベントが実施される。
アンバサダーは、横浜で生まれ育った俳優の竹中直人が務める。ワールドプレミア上映が行われる『YOKOHAMA』で初監督を務めた俳優の中村優一も、横浜出身だという。「名前通り、横浜をテーマに撮った作品です。第1回横浜国際映画祭で上映されることを、とても幸せに思います」と喜びをかみ締めていた。
正式招待作品となる、白血病患者とドナーの数奇な運命を描いた映画『いちばん逢いたいひと』で主人公の楓役を演じるAKB48の倉野尾成美は「すばらしい俳優の皆さんとご一緒できてうれしい」と共演者の高島礼子や三浦浩一を見つめ、「普段の活動ではなかなか経験できないことを、今回の作品で経験させていただいた。命の大切さや、人と人のつながりの大切さが詰まったすてきな作品です。出演できてすごくうれしいです」と感激しきり。
高島は「骨髄バンクの登録者は53万人を超えるそうなんですが、それでもなお適合されないというところで泣いている方々がたくさんいると思います。一人でも骨髄バンクに登録していただけたら、助かる命があるということを知っていただけたらと思います」と呼びかけていた。
同じく正式招待作品となるサスペンス・コメディ『犬、回転して、逃げる』の主演を務める7ORDERの長妻怜央は「映画の名前がちょっと不思議」と笑顔で切りだし、「せっかくなので、『犬、回転して、逃げる』という名前だけでも(覚えて)応援していただければ。皆さまの応援があればあるだけ、犬が回転して逃げる」と茶目っ気たっぷりにアピール。また4月14日より公開されて大ヒットを果たしている『名探偵コナン 黒鉄の魚影』は、特別招待作品として上映される。立川監督は「公開して3日で31億という数字を叩きだした。これはコナン史上、初めてのことです」と感慨深げに語っていた。
オープニング作品『UMAMI』で、長塚京三はジェラール・ドパルデューと共演を果たした。「ジェラール・ドパルデューに代わってご挨拶を」と口火を切った長塚は「70代の俳優を主演、準主演にキャスティングして、映画を撮るということはすばらしいこと」と特別な喜びがある映画だと語り、「そこには宝の山があって、奇跡が起きる可能性があります。現場で監督をはじめ、みんなが歳をとった俳優に優しかった。とても楽しい現場でした。とても優しい映画です」とにっこり。スローニー・ソウ監督は「私には2つ夢があった」と明かし、「日本で長編映画を撮ること。そして、すばらしいキャストの方に出ていただくこと。この映画でその2つを叶えられた」とコメント。「日本の文化には、いつも影響を受けています。北海道で撮影をした本作で、新しい日本の一面を海外の方に紹介できたらいいなと思っています」と願っていた。
またパーティの最後には、クロージング作品『DOUGHTER(ドーター)』で初監督を務めた作曲家の菅野祐悟がサプライズで生演奏を披露。3月28日に71歳で亡くなった音楽家の坂本龍一に、「若いころから憧れていた」という菅野。この日はまず「戦場のメリークリスマス」を披露し、「(坂本は)映画業界の宝。日本の宝。尊敬しています。追悼の意味を込めて、弾かせていただきました」と敬意を表した。続いて同映画祭でモリコーネ特集が行われることから「世界でもっとも愛されている作曲家と言われています」と紹介しながら、ヴァイオリニストの矢野小百合と共にエンニオ・モリコーネの楽曲である『ニュー・シネマ・パラダイス』(89)の「トトとアルフレード」を演奏。心のこもった演奏で、会場から拍手を浴びていた。
取材・文/成田おり枝