闇落ち、中二病…“こじらせ”ヒーローが世界を救う!辛酸なめ子が斬新なタイムリープドラマをイラストレビュー
自分が救うのは愛する人の命か、それとも全人類の命か?そんな究極の選択を迫られるSFタイムリープアクション「ラザロ・プロジェクト 時を戻せ、世界を救え!」がAmazon Prime Video チャンネル「スターチャンネルEX」にて独占配信中だ。
本作の脚本を手掛けたのは、Netflixで配信中のドラマ「Giri/Haji」で一躍注目を浴び、破壊王マイケル・ベイの「クローバーフィールド」ドラマシリーズへの参戦も報じられたジョー・バートン、主演は『MEN 同じ顔の男たち』(22)、「ザ・キャプチャー 歪められた真実2」など注目作への出演が続くイギリスの新鋭、パーパ・エッシードゥ。海外ドラマ好きはもちろん、映画好きにも楽しめる要素が満載の1本なのだ。
「ラザロ・プロジェクト」とは、戦争、伝染病の蔓延など様々な危機から人類滅亡を阻止すべく、極秘に時をリセットしてきた多国籍組織のこと。主人公のジョージ(パーパ・エッシードゥ)は平凡なアプリ開発者だったが、ある日、目覚めると「7月1日」に時が戻っていることに気づく。その後、ジョージはタイムリープできる遺伝子を持つ“ミュータント”だと判明し、ラザロ・プロジェクトにスカウトされ、その一員となる。ところが、過去の改変により恋人のサラ(チャーリー・クライヴ)を失ってしまい、ジョージは苦悩していくことに。
アメリカの批評サイト「ロッテン・トマト」では批評家から100%フレッシュの高評価を記録し、すでにシーズン2の製作が決定。そんな本作をいち早く観た漫画家でコラムニストの辛酸なめ子が、独自の視点から巧妙かつトリッキーなストーリーやキャラクターの魅力を深掘りする。
※本記事は、ストーリーの核心に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。
「いままでになかったが新鮮なタイムリープの設定」
タイムリープアクションといえば、本作と同じようにトム・クルーズ演じる主人公がタイムリープするたびに少しずつ戦闘能力を身につけていく『オール・ユー・ニード・イズ・キル』(14)や、時間軸を巧みに操るクリストファー・ノーラン監督ならではの快作『TENET テネット』(20)など優れた人気作も多い。辛酸もその魅力について「物事をリセットできるんじゃないかと思えたり、生まれ変わりを描く物語とも少し似ていたりと、神秘的なおもしろさがあります」と語る。
イギリス発のドラマ「ラザロ・プロジェクト」については「アメリカの作品と違って、少しアンニュイでシリアスな雰囲気をまとっていますね。主人公がアプリの開発者という設定なので、インドア派の男性かと思ったら、ものすごい勢いで戦闘能力を身につけていったので、感情が追いつかなかったです。恋人のサラにギークとか言われていて、勝手に仲間意識を抱いていたのに…もともとポテンシャルが高かったんだなとも思いました(笑)。あとは、スパイものならではの暗号の使い方にワクワクしました」。
戻りたい日時にいつでもタイムリープできるのではなく、決められた「7月1日」というチェックポイントの日にしか戻れないという縛りについては「いままでになかったが新鮮な設定で、新しいです」としたうえで「ジョージとサラのいちゃついているシーンに戻る2022年のチェックポイントが何度も描かれましたが、一番ラブラブのシーンからやり直すので、よりサラへの愛情が高まったのかもしれない。もしもあの時間が、普通の日常だったり、口喧嘩をしている時だったりしたら、そこまでサラに執着せず、運命に任せた部分があったかもしれません」と捉えた。
世界各国でのロケーションも楽しめたという辛酸。「ルーマニアのブカレストでのアクションシーンでは、スラム街みたいなところが登場しましたが、荒廃ぶりがすごく味があってよかったです。相手を追いかけるアクションは、市場などで繰り広げられ、物が壊される展開がありがちですが、あのシーンは、いかにも治安の悪そうな町という印象でした。ほかにも大麻を栽培している部屋で暴れるようなシーンもありましたが、その一方で、ハイテクっぽい機器やモダンな建物も出てくるし、いろいろと気になって調べたくなりました」。
「ラザロ・プロジェクト 時を戻せ、世界を救え!」(全8話)
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【放送情報】
[STAR1 字幕版]5月29日(月)より 毎週月曜 23:00ほか
※5月28日(日) 16:00~ 吹替版 第1話 無料放送
[STAR3 吹替版]6月9日(金)より 毎週金曜 22:00ほか
【配信情報】
Amazon Prime Video チャンネル「スターチャンネルEX」にて独占配信中