「DC映画の一つの到達点」「涙腺が崩壊する映画だった」…『ザ・フラッシュ』の満足度が高い理由を鑑賞コメントでひも解く
フラッシュの動きを活かした高速バトルはオンリーワン
そして、スーパーヒーロー映画らしいダイナミックなアクションにも反響が寄せられている。崩壊する大病院から人々を助け出すフラッシュの縦横無尽の活躍を描いた冒頭からして、心をわしづかみにされる。フラッシュの動きが速すぎて、落下する人や物などの周りが静止状態になる描写は圧巻。クライマックス、フラッシュらがゾッド将軍の部隊と戦う合戦も迫力満点で、陸で展開するバトルと空中戦が入り乱れ、怒涛のスペクタクルを織りなす。
「最高過ぎました!DC史上最高傑作の映画!戦闘シーンがとにかくよく、『フラッシュが戦うならこういうシーンが観たかったんだよ!』というのを余すことなく堪能出来る!もう1回観ます!」
「バトルも演出も最高だしポージングも刺さる。ここ数作のDC映画で間違いなく群を抜いてる」
「スピードの表現が爽快で楽しかったー時間移動の映像がおもしろかったしヒーロースーツもメタリックでかっこよかった!」
「想定を遥かに凌ぐ傑作!5億点!ややこしいタイムループを簡潔におもしろい表現で見せてくれる。冒頭の掴みからホントのラストまでフラッシュ並に爆速で駆け抜けた!」
アクションの爽快だけではない、主人公の成長ドラマに涙も…
そしてなにより、『ザ・フラッシュ』はバリーの成長を描いたドラマだ。うまくいかない現実に直面し、やり直したいと思うことは誰でもある。母と死別し、父と引き離されたバリーは特殊能力を駆使して、それをやってしまうのだが代償は大きすぎた。想定の範囲を超えて狂った運命を修正しようと必死になりながら、世界、家族、そして自分と向き合う。ジタバタする姿がユーモラスである一方、そこにはエモさも確実に宿っている。
「2人の同じで違うバリーを通してバリー・アレンがどんな人間なのかがしっかり描かれていてバリーが絶対好きになる」
「冒頭からフラッシュの見る超速の世界や、フラッシュ/バリーの人柄がよくわかる構成で、後から登場するもう一人のバリーとの対比がおかしく笑えて少し切ない」
「いままでのオマージュや言い回しの巧みさが光る映画で、めっちゃ笑いました。そして、自然と涙が落ち、涙腺が崩壊する映画でした」
「エズラ一人二役で次元が違う主人公バリーを見事に演じ分けてたのすごかったしエズラの表情で魅せる演技が上手すぎた。特にラストシーン。すばらしいの一言です」
『ザ・フラッシュ』は広いエンタメレンジを備えており、それだけに見る人の感想も様々だが、いずれのコメントもとにかくアツい。それは本作が呼び起こす熱狂の、層の厚さの表われともいえるだろう。「ただひたすらにおもしろい!アクションもユーモアも感動も全てが詰まったDC映画の一つの到達点!これまでDC映画を追ってきた人はもちろん、この作品からDCデビューするのもめちゃくちゃアリですよ!」の言葉のように、一刻も早く、この熱を体感してほしい。
文/相馬学