ハイジ、プー、ピーターパン…R18+の“魔改造”映画が続々上陸!あのネズミも餌食に?
高畑勲と宮崎駿が手掛けたテレビアニメをはじめ、世界中で実写やアニメが制作され世代を超えて愛され続けているヨハンナ・シュピリの児童書「アルプスの少女ハイジ」。同作を、ハイジの故郷であるスイスでB級エログロバイオレンスバージョンに大胆アレンジした『マッド・ハイジ』が7月14日(金)より日本公開を迎える。
チーズ製造会社のワンマン社長にしてスイス大統領でもある強欲なマイリは、自社製品以外のすべてのチーズを禁止する法律を制定し、スイス全土を掌握。それから20年、アルプスに暮らすハイジの目の前で、禁制のヤギのチーズを闇で売り捌いていた恋人のペーターが処刑されてしまう。さらに唯一の身寄りであるおじいさんもマイリの手下によって山小屋ごと爆死。すべてを失ったハイジは、邪悪な独裁者を血祭りにあげ、そして母国を解放するために立ち上がる。
近年、本作のように子どもたちに愛されてきたキャラクターたちを“マッド化”した作品が続々と作られている。その背景にあるのは、原作の著作権が切れて“パブリックドメイン”になったこと。この「アルプスの少女ハイジ」以外にも、ディズニーがアニメ化したことでも有名なA・A・ミルンの「クマのプーさん」が、プーとピグレットが野生化して残忍な人間狩りを行なう『プー あくまのくまさん』(公開中)として生まれ変わり、世界中を驚愕させた。
さらに『プー あくまのくまさん』を作った製作チームは同作の続編に加え、フェーリクス・ザルテンの「バンビ」をマッド化する『Bambi: The Reckoning』と、ジェームス・マシュー・バリーの「ピーター・パン」をマッド化する『Peter Pan's Neverland Nightmare』を企画中。また今年いっぱいでアメリカ国内でミッキーマウスの著作権保護期間が終了するため、来年以降にも“マッド・ミッキー”が生まれるのではないかというウワサも…。
いまもっともアツいマッド映画界の先陣を切って2022年に制作された『マッド・ハイジ』は、世界19カ国538人の映画ファンによるクラウドファンディングによって、約3億円が集まったことで無事に完成。昨年秋にブリュッセル国際ファンタスティック映画祭でお披露目されるや観客賞に輝き、その後も世界各国のファンタスティック映画祭で大絶賛を獲得。そして満を持して、スイスにも負けない“ハイジ愛”にあふれた日本へ上陸を果たす。
日本の配給会社はなんとかR15+で上映できるように修正を入れようと試みたが、あまりにも過激なシーンが画面いっぱいに繰り広げられているため泣く泣く修正を断念。その結果R18+で公開されることになった、大人しか観ることができない「アルプスの少女ハイジ」。いったいどんな映画なのか…劇場に足を運び、自分の目で確かめてもらいたい。
文/久保田 和馬