中村悠一が明かす、若き日の五条悟を演じるための再構築「作品のなかで“生きる”ように作らなければ」
「週刊少年ジャンプ」で2018年3月に連載がスタートし、コミックスの累計発行部数8000万部を突破している芥見下々の「呪術廻戦」。2020年10月から2クールにわたって放送されたテレビアニメ第1期は国内外で大反響を巻き起こし、初の映画化となった『劇場版 呪術廻戦 0』は全世界興収265億円の大ヒットを記録した。
そして、7月6日(木)23時56分よりMBS/TBS系列全国28局で放送がスタートする第2期では、劇場版で示唆された五条悟と夏油傑の過去が明らかになる「懐玉・玉折」が描かれていく。放送に先駆け到着したオフィシャルインタビューでは、五条悟を演じた中村悠一が第2期の見どころや、五条悟というキャラクターの魅力、若き日の五条を演じる難しさなどを語った。
「最強と言われている五条のバックボーンが少しだけ出てくる」
――「懐玉・玉折」の原作やシナリオを読まれたときの印象を教えてください。
「物語の流れの大前提として必要な、過去にどんな出来事があったのかがわかるエピソードになります。本編でもとても重要な存在である“天元”という名前が出てきます。この世界の成り立ちというか、世界がどういうことになっているのか説明があるという印象だったので、過去の話ではありながらも、しっかりとこの先に繋がっていく大事な話だと思いました」
――「懐玉・玉折」の見どころはどんなところになりますか?
「五条悟は生まれた時から高い能力を持っていたんですけど、それがこのエピソードを通して覚醒していく。どのような流れで能力が成長していくのかというところが、本作の見どころになってくると思います」
――演じている五条悟の魅力を教えてください。
「これまでも通して答えているのは『わかりません』ということで、それしか言いようがないんです。僕自身は、キャラクターをこの作品のなかで“生きる”ように作らなければならないので、そのうえで、この人の魅力はここですとは考えないし、わからないんですね…。オンエアを見たところで、カッコいいと思うシーンはあっても、彼のなにがカッコいいのか具体的にはよくわからない。僕としては他のキャラクターに対して、成長したり、バックボーンや色んな面が見られたりするからカッコいいなと思うことはあります。今回そういう意味では、最強と言われている五条のバックボーンが少しだけ出てくるので、そこを魅力に感じていただければいいなと思っています」
「これまで演じてきた五条は、強敵と戦ってきた経験値があるうえでの振る舞い」
――若き日の五条悟を演じてみていかがでしたか?
「年齢的に若くするといっても、それは感覚的な部分で言葉にするのはすごく難しいんです。今回は『よりいい加減なところがあるのかな?』とか、『裏打ちされたものがない、根拠はないけど“自信”はあるんだろうな』などと想像してキャラクターを再構築していきました。これまで演じてきた五条って、色々な強敵と戦ってきた経験値があるうえでの振る舞いなんですよ。なので、そこから経験値を引いた状態にしていかなければいけないなと思いました」
――放送へ向けての意気込み、視聴者へのメッセージをお願いします。
「少しお待たせしてしまったかもしれませんが、テレビシリーズ第1期と『劇場版 呪術廻戦 0』を経て、原作の続きをお届けできるタイミングが近づいてきました。今回はスタートから、五条悟という人物をより深く知ることができます。そのあとは、第1期以上に戦いが多いシリーズになっていくのかなと感じております。主人公たちにとってもツラい戦いに突入してはいくのですが、盛り上がると思いますので(笑)、ぜひ作品を一緒に盛り上げていただきたいなと思っています。よろしくお願いします」
連続2クールで放送される第2期では「懐玉・玉折」の後に第1期から続く時間軸の物語「渋谷事変」も描かれることが決定している。後に“最強の呪術師”と呼ばれる五条と、“最悪の呪詛師”と呼ばれる夏油。2人が決別した過去と、ハロウィンの渋谷で繰り広げられる大規模な戦闘。再び廻りだす壮絶な物語から目が離せない!
文/久保田 和馬