『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』が首位も、北米サマーシーズンは波乱続きに?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』が首位も、北米サマーシーズンは波乱続きに?

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『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』が首位も、北米サマーシーズンは波乱続きに?

「インディ・ジョーンズ」シリーズの15年ぶりとなる最新作『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(日本公開中)が公開を迎えた先週末(6月30日から7月2日)の北米興収ランキング。同作の上映シアター数は、北米全土で4600館。これは歴代6位となる公開規模であり、作品への期待の高さが如実にあらわれているといえよう。

製作費3億ドルが投じられた『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』
製作費3億ドルが投じられた『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』[c]Everett Collection/AFLO

ところがいざ公開されてみると、初日から3日間の興収は事前の予想や期待を大きく下回る6036万ドル。4500館以上で封切られた作品としては『ペット2』(19)に次ぐ低い数字であり、シリーズ前作の『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(08)のオープニング興収1億ドルにも届かない結果となってしまった。

さらに苦しいことに、7月4日の独立記念日のデイリー興収では同日に初日を迎えたジム・カヴィーゼル主演の『Sound of Freedom』に敗れて早々に2位へ転落。初日から5日間の興収でもまだ1億ドルに到達できておらず、日本や韓国、中国なども含めた全世界興収も1億5000万ドルほど。製作費2億9470万ドル(宣伝費などを含めればそれ以上)の巨額が投じられた作品だけに、その打撃はかなり大きなものとなりそう。


ピクサーの『マイ・エレメント』はようやく本調子に?興収1億ドルも目前
ピクサーの『マイ・エレメント』はようやく本調子に?興収1億ドルも目前[c]2023 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

期待作の興収が伸び悩む波乱が相次いでいるこのサマーシーズン。ピクサー作品『マイ・エレメント』(8月4日公開)は、鈍い出足から一転しファミリー向けアニメらしい大健闘。大作のなかでも絶好調をキープしている一本である『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』(日本公開中)と12万ドル差の接戦を制し、3週連続で2位を守り続けることに成功し、喫緊の課題であった興収1億ドルがようやく見えてきた。

また、前週から3分の1近い興収ダウンに見舞われ8位まで急降下した『ザ・フラッシュ』(日本公開中)も、7月3日の月曜日にようやく北米累計興収1億ドルに到達。『ザ・フラッシュ』も『マイ・エレメント』も製作費は2億ドル。全世界興収でみれば、前者はすでに2億4000万ドルとなり後者もまもなく2億ドル。それでもこの数字ではまだまだ満足いくものとは言いがたい。

そんななか、6位にひっそりと初登場を果たしたのは、自分のルーツが海の王家の子孫だと知ったティーンエイジャーを描いたドリームワークス・アニメーションの最新作『Ruby Gillman, Teenage Kraken』。「好きだった君へのラブレター」シリーズのラナ・コンドルが主人公の声を担当し、トニ・コレットとジェーン・フォンダが共演した本作も、3400館で封切られながら3日間の興収は550万ドル。コロナ禍で公開規模が縮小された『トロールズ ミュージック★パワー』(20)を除けばドリームワークス・アニメのワーストオープニング記録を更新してしまうことに。

先述の『Sound of Freedom』を含め、2500〜3000館規模の作品が3本公開される次週末。その次の週には『ミッション:インポッシブル/デッド・レコニングPART ONE』(7月21日日本公開)、さらにその次の週には『バービー』(8月11日日本公開)とクリストファー・ノーラン監督最新作『Oppenheimer』が控えており、そろそろサマーシーズンらしい賑やかさが戻ってくることを願いたい。

文/久保田 和馬

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