新主人公は「ビーストウォーズ」ファン!アンソニー・ラモスが語る、『トランスフォーマー/ビースト覚醒』とのリンク
「『この映画にハートをもたらしたい』と答えました」
――スティーブン・ケイプル・Jr.監督から「君がこの映画にもたらしたいものや目標はなにか?」と聞かれたそうですね。
「私は『なによりも、この映画にハートをもたらしたい』と答えました。映画を観る人々にロボット生命体だけでなく、人間や、人間とロボットの関係性にも関心を持ってもらいたいです。私たちはロボットと同じくらい人間が必要であり、またその逆もしかりです。この作品をとても興味深いものにしているのは、人間と巨大なロボットを結びつけていることだと思います。
決してつながってはいけない2つの種族。これは世界へのメッセージと言えるのではないでしょうか?あなたが誰であろうと、どこの出身であろうと、誰にでも共通点があります。そこがこの映画のすばらしいところだと思います。ロボットや人間を通してそのようなストーリーを描き、さらにこれまで映画では観ることがなかったマクシマルを登場させています。オートボットがマクシマルと出会い、マクシマルが私たちと出会い、そして私たちがオートボットと出会い、一緒になって世界を救うために戦います。そこにはなにか特別なものがあると思います」
――演じたノア・ディアスについても教えてください。
「彼はブルックリン出身の元軍人で、母親と弟と一緒に暮らしています。弟は病気を抱えており、彼は家族を支えるべく奮闘しています。ノアはなにかを決めるとき、正しいことをしたいと思っている人物ですが、彼自身もそれがなにかが分かっていないところもあります。また、人々を気遣いたいし、愛する人を守りたいとも思っています。彼が家族に対して抱いている愛や親しみの気持ちを、やがてミラージュやエレーナ、オートボットに対しても抱き始めるのが分かると思います」
――ノアとミラージュとの友情をどう捉えましたか?
「ノアとミラージュの友情は徐々に築かれていき、お互いに信頼を持ち始めます。彼らは似た者同士。ミラージュははみだし者で、ノアも自分の人生でそう感じたことがあるから、そこに仲間意識を見出しているのだと思います」
「カーチェイスのシーンは、とにかくワイルドでした」
――撮影時に最大のチャレンジだと思った点とは?
「肉体的にも感情的にも挑戦でした。繰り返しになりますが、私たちがこの映画にもたらしたかったのは、アクションだけではありませんし、アクションを単にダイナミックでエキサイティングなものにしたかった訳ではないです。だからこそ、スタントは自分でやりたいと思っていましたし、自分ができるスタントならいくらでもやりたいという感じでした。
すべてのシーンや台詞が重要でした。スティーブンのすばらしいところは、一言一句、一瞬たりとも無駄にしないところです。台詞のない箇所でさえ、台詞は存在しますし、キャラクターが常に感情的になっている際にはなにかが起きています。すなわち感情がアクションの原動力になるのです。このキャラクターは怒っている、このキャラクターはこのことで悲しんでいる、だから戦う、もしくはなにかが起こる。感情が一番大切で、そうするためには多くの努力を必要としましたし、スタントトレーニングも大変でした」
――カーチェイスの撮影はいかがでしたか?
「カーチェイスのシーンは、とにかくワイルドでした。なぜなら、スタントドライバーが後ろに乗っていて、私が運転席に座っている間、彼が実際に車を運転していたから。そうすることで僕自身が自分で車を運転しているように撮影できます。カメラはここ(右側)と私の後ろにあり、ウィリアムズバーグ橋の上にいるように見せることができます。実際のワイド撮影や空撮もニューヨークのウィリアムズバーグ橋で行われました。前後に動いたり、車に投げ返されたり、車が跳ねたり、車が持ち上げられて落下するなかで私が叫んだり、そんなテイクを何度も繰り返しましたが、とても楽しいシーンでした」
――ニューヨークで撮影後、ペルーにも行かれたそうですね。ペルーでの撮影はいかがでしたか?
「この映画にはペルーの文化が溶け込んでいます。ペルーのマチュピチュや、アマゾン地区にあるタラポトで撮影しました。それからインカ帝国の都であるクスコでも撮影しています。ペルーでは、違ったエネルギーやパワーが感じられます。実際に行かなければ、なかなか人に説明することは難しい、神秘的ななにかがペルーにはあります」
――これから映画を観る観客におすすめしたいポイントを聞かせてください。
「動物たちがメカニカルなロボットに変わるのは、観ていてとてもカッコいいです。車も同じで、チーターがトランスフォームしたり、戦ったり、撃ったりと、あらゆる種類のクレイジーなことができるロボットになるのです。現実に存在する生き物が、車と同じように変身するし、キャラクターもダイナミックなので、きっと楽しんでもらえると思います。また『ビーストウォーズ』を観たことのある人なら、チーターが実力者だったことは知っていると思いますし、ライノックスは野獣で、エアレイザーは伝説的なキャラクターです。これらの2つの世界を融合させたことは、すばらしいと思います!」
構成・文/山崎伸子