『ミッション:インポッシブル』最新作が北米首位デビュー!観客支持はシリーズ最高に
ついに公開された、トム・クルーズ主演の「ミッション:インポッシブル」シリーズ最新作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』(日本公開中)。コロナ禍による撮影のストップなどに見舞われ、当初の予定よりも2年近く公開が遅れるかたちとなったが、先週末(7月14日から16日)の北米興収ランキングでは危なげなく首位に立った。
『デッドレコニング PART ONE』の初週末3日間の興収は5468万ドル。4327館という公開規模を考えると、同規模で公開された『リトル・マーメイド』(日本公開中)や『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』(日本公開中)を大きく下回る少々物足りない数字にも見える。それでも水曜日の初日から5日間の累計興収は7849万ドルと着実に興収を積み上げており、公開10日目で1億ドルを突破。大作の不発が相次ぐサマーシーズンのなかでは決して悪くない成績といえよう。
これまでのシリーズ作の初動&最終興収と比較していくと、1作目はオープニング興収4543万ドルで最終興収1億8098万ドル。2作目はそれぞれ5784万ドルと2億1540万ドル、3作目は4774万ドルと1億3400万ドル。4作目がオープニングの上映館数が少ないため直接の比較はできないが、拡大後最初の週末で2955万ドルを稼ぎ、最終的には2億ドルを突破。5作目が5552万ドルでスタートして1億9504万ドルに到達し、前作が6123万ドルでスタートし2億2015万ドルを稼ぎだした。
そうした流れを踏まえると、最終的には北米興収2億ドルが一つの目安だろうか。批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば、観客からの好意的評価の割合は94%とシリーズ最高で今後の持続力にも期待が持てそう。また今作は製作費が前作から大きく跳ね上がって3億ドル近いものになっているが、全世界興収はすでに2億6000万ドルを突破している。どこまで回収できるかに注目が集まるところだ。
次週末(7月21日)にはクリストファー・ノーラン監督の『Oppenheimer』と、グレタ・ガーウィグ監督の『バービー』(8月11日日本公開)が控えていることから、『デッドレコニング PART ONE』を交えた熾烈な三つ巴になる様相が漂っている一方で、想像以上の検討を見せているのが7月4日の独立記念日に封切られたジム・カヴィーゼル主演の『Sound of Freedom』だ。
公開から上映館も興収も右肩上がりで、よもやの2位に急浮上。しかも7月20日のデイリー興収では『デッドレコニング PART ONE』を上回り首位に立ち、「ロッテン・トマト」での観客からの好意的評価はなんと100%。人身売買を題材とした社会派スリラーでありつつ、一方では“陰謀論映画”として保守的な観客から支持されているともいわれている。意外な刺客の登場によってサマーシーズンは大きな盛り上がりをみせそうだ。
文/久保田 和馬