35年幽閉された男が世界に触れる…30年前にヴェネチアを魅了した『悪い子バビー』待望の日本初公開が決定！

1993年に行われた第50回ヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞に輝きながらも、日本では『アブノーマル』というタイトルで劇場未公開のままVHS発売されただけだったオーストラリアとイタリアの合作映画『BAD BOY BUBBY』が、30年の時を経て『悪い子バビー』として10月20日(金)より劇場公開されることが決定。このたび特報映像とポスタービジュアルが解禁された。

「ドアの外に出れば、汚染された空気の猛毒で命を落とす」。そんな母親の歪んだ教えを信じ込み、35年間も暗く汚い部屋に閉じ込められていたバビー。身の回りのすべてを母親が管理し、ただそれに従うだけの日々を送っていた彼の前に、ある日“父親”だと名乗る男が帰ってくる。それを機にバビーの人生は激変。言葉や音楽、暴力に宗教に美味しいピザ。刺激にあふれた外の世界を体験するバビーは、周囲の人々を巻き込みながら自分自身を見つけていく。

このたび解禁された特報映像では、ニコラス・ホープ演じる主人公のバビーがガスマスク姿で登場。外に出るやいなや車と衝突しかけ、街へ出て聖歌隊や子どもたちと笑顔でふれあい、ライブハウスでパフォーマンスを披露する様子も収められている。また、あわせて解禁されたビジュアルには、スーツケースとマイクを片手に佇むバビーの姿がデザイン。

オランダ生まれオーストラリア育ちのロルフ・デ・ヒーア監督が10年以上の歳月をかけて脚本を完成させ、バビーが初めて世界に触れる感覚を追体験できるよう32名の撮影監督によって場面が変わるごとに異なるタッチの映像を作りだすなど、映画制作の常識にとらわれないアプローチで生みだされた本作。30年も日の目を見ることがなかった逸品を、この機会に劇場のスクリーンで目撃してほしい。

文/久保田和馬