止まらない『バービー』と『Oppenheimer』の2強に『MEG ザ・モンスターズ2』が襲いかかる！
先週末(8月4日から6日)の北米興収ランキングは、『バービー』(日本公開中)と『Oppenheimer』の対決にジェイソン・ステイサム主演の『ＭＥＧ ザ・モンスターズ２』(8月25日日本公開)が割って入った。
『バービー』の3週連続1位は阻止できなかったものの、『Oppenheimer』との超接戦を制しなんとか2位スタート。複数の作品の活況によって、ランキング上位10作品の週末合計興収は1億7200万ドルを突破している。これは過去20年間の8月1週目の週末としては、マーゴット・ロビーの出世作である『スーサイド・スクワッド』(16)が封切られた2016年に次いで2番目に高い興収だ。
まずは初登場を飾った『ＭＥＧ ザ・モンスターズ２』の成績から見ていこう。制作費は2018年公開の前作とほぼ同額の1億2900万ドルと、相変わらずのハイバジェット。初日から3日間の興収は3000万ドルで、単純に数字だけで比較するとオープニング興収4540万ドルだった前作対比66%と少々下回る結果に。とはいえ上映劇場数は前作比85%の3503館なので、1館あたりのオープニングアベレージで見れば前作対比77%となる。
実はこの3つのパーセンテージ、過去のステイサム主演のシリーズ作品とかなり近しいものがある。2006年と2009年に公開された「アドレナリン」シリーズでは、1作目との比較で2作目の公開劇場数は88%に減り、OP興収は66%でOPアベレージは75%。また2011年と2016年に公開された「メカニック」シリーズも同様に、続編が前作対比83%の劇場数で公開され、OP興収は65%、OPアベレージは78%を記録していた。
そして最終興収で見ると、「アドレナリン」の場合は1作目から半減。「メカニック」は1作目の72％に踏みとどまっている。前作が最終興収1億4500万ドルを記録した「MEG」シリーズがどちらに着地するのかまだ読み切れないが、1億ドル突破は少々難易度が高い。ちなみに批評集積サイト「ロッテン・トマト」では、批評家からの好意的評価46%・観客からの好意的評価43%だった前作に対し、今回は前者が28％で後者が72%。批評家からの声は相変わらず手厳しいが、前作のテイストを知っている観客からは支持されているようだ。
一方、まだまだ絶好調が続いている『バービー』のほうは3週連続Vを危なげなく飾り、3度目の週末興収としては歴代11位の5300万ドルを記録。週末段階で累計興収4億5000万ドルを突破し、全世界興収はすでに10億ドルを突破している。11日の金曜日には、公開22日目で史上20本目の北米累計興収5億ドルに到達する(経過日数では歴代8番目の速さとなる)。デイリー興収でも公開以来ずっと首位を独走し続けており、こちらは良い意味で着地点が未知数である。
そして『ＭＥＧ ザ・モンスターズ２』に88万ドルの僅差で敗れた3位の『Oppenheimer』から、さらに110万ドルという僅差で4位スタートとなったのは、「ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ」のアニメ映画最新作となる『ミュータント・タートルズ：ミュータント・パニック！』(9月22日公開)。『ミッチェル家とマシンの反乱』(Netflixにて配信中)のジェフ・ロウがメガホンをとり、コミックタッチのデザインで高評価を獲得。こちらも息の長い興行が期待できそうだ。
文/久保田 和馬
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