神木隆之介と浜辺美波が『ゴジラ-1.0』完成報告会見に登場!「『見たことある組み合わせ』って思われる方もいらっしゃるかも…」
1954年に初めて姿を現して以来、日本のみならず世界中を魅了し、衝撃を与え続けてきた怪獣「ゴジラ」の70周年記念作品『ゴジラ-1.0』(11月3日公開)の完成報告会見が9月4日、帝国ホテルにて開催。主演の神木隆之介、ヒロインの浜辺美波、山崎貴監督、製作の市川南氏が登壇した。
本作は、ゴジラ70周年記念作品であると共に、日本で製作された実写版ゴジラの30作品目という特別な節目の最新作。NHK連続テレビ小説「らんまん」でも主演とヒロインを演じる神木と浜辺が、本作で再共演する。
会見は、高さ2m超えのゴジラのスタチューの前にキャストらが並んで実施。神木はゴジラを振り返り、「めちゃくちゃ目合うんですけど(笑)」と体をのけぞらせ、その迫力を体感していた。
山崎監督は「ずいぶん前からゴジラ映画を作りたいなと思っていて『ALWAYS 続・三丁目の夕日』の一部分でゴジラに出てもらったりしていたんですけど、いよいよ夢が叶いました。ついに東宝の本丸であるゴジラ映画に携われたことは本当にうれしいことです」としみじみ。
神木は「日本を代表する、このゴジラという作品に携われたことを本当に幸せに思っております」と語り、「東宝シンデレラオーディション」で芸能界入りした浜辺も「芸能活動を始める前、オーディションの時からゴジラにはずっと見守ってもらっていて、ずっとそばにいたような存在でした。そんな映画にこの年齢で出演させていただけたことがとても幸せ」と喜びを噛み締めた。
「らんまん」で共演する神木と浜辺だが、本作へのキャスティングは「らんまん」よりも前のことだそう。神木は「朝ドラが後です。『あれ、見たことあるな、この組み合わせ』って思われる方もいらっしゃるかもしれないんですけど、この『ゴジラ』の撮影が前ですから」と説明。浜辺は「ちょうど『ゴジラ』の撮影をしている前後くらいに、朝ドラの話が確定したので、『長い間、これからご一緒させていただきます』と再度ごあいさつをいたしまして、ここまで仲良くしていただいています」と明かした。
山崎監督は「『シン・ゴジラ』が本当に大きな存在。『シン・ゴジラ』のコメントを求められた時に『次にやる人は大変ですね』みたいなことを言っちゃったんですけど、まさかそれがブーメランになって返ってくるとは思わなかった」とプレッシャーの大きさを吐露。その一方で、「でもやっぱり本丸というか、『ゴジラ』は1回はやってみたい作品だったので、ちょうど技術的にも色々成熟してきた中で『今やれるんだったら、思っていたゴジラができるかもしれない』というチャンスだったので、すごくうれしかった」と口にした。
さらに、完成した作品を見た感想を聞かれた神木は「そこにいましたね、ゴジラが。恐ろしかったです」とコメント。続けて「グリーンバックで撮影をしていたんですけど、実際にどうなるかをわかっていないままやっていた」と撮影現場の様子を明かし、「『これぐらいの恐怖で、これぐらいの大きさで今ここにいるんだな』と想像しながらやっていたんですけど、いざ、いち観客として見させていただいたら、他人事とは思えなくなります。『ゴジラの映画を見ている』っていう感覚じゃなくて、『あ、やばい、いる』っていう。自分まで息を潜めてしまうような臨場感が本当にありました」と伝えた。
同じ質問に浜辺は「ゴジラというものを見ると、もちろん恐怖はあるんですけど、テンションが上がる」と表現。加えて「日本の大怪獣というゴジラを見ると心拍数が上がるのは遺伝子に刻まれているんだなと、そんな体験ができました」と語った。
そして「本作を一言で表すなら」という質問には、浜辺が「夢」と答え、「撮っている時は夢見心地のような感覚があって、『ゴジラがどう出演してくるんだろう』みたいなこともありましたし、出演できるという喜びもございましたし、そういういろんな意味での夢」とその理由を説明。
神木は「浜辺の回答と俺の中の回答がニュアンスが全然違って動揺しています」としつつ、「『見よ、これが絶望だ』。そういうニュアンスだったんですよ。そしたら『夢』って言い出したから、俺間違ってる?」と不安げに回答した。
山崎監督は「『夢』を取られたから『絶望』と言おうと思っていた」と困りながらも「再生の物語」と表現。「最悪な状況の中で、それでも人は諦めないんだということをちゃんと描きたいなと思って」と作品に込めた思いを明らかにしていた。
取材・文/山田健史