『ジョン・ウィック』チャド・スタエルスキ監督が来日!日本ロケは「念願が叶った」
キアヌ・リーブス主演のアクション映画シリーズ第4弾『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(9月22日公開)の舞台挨拶プレミアが、9月13日にTOHO シネマズ六本木ヒルズで開催。来日したチャド・スタエルスキ監督のほか、俳優の藤岡弘、と柔道女子52㎏級東京2020オリンピック金メダリストの阿部詩が参加した。
リーブス演じる裏社会を震撼させてきた最強の殺し屋ジョン・ウィックの壮絶な復讐を、キレ味鋭いアクションと独自の世界観で描く「ジョン・ウィック」シリーズ。最初に、その生みの親であるスタエルスキ監督が、ファン約40人が待ち受けるレッドカーペットを闊歩した。監督が日本の地に降り立ったのは、前作『ジョン・ウィック:パラベラム』(19)以来4年ぶりで、4度目の来日となった。スタエルスキ監督はファンたちにたっぷりファンサービスをしたあと、赤いカーペット上で笑顔を振りまき「歓迎してくれて本当にありがとう!また日本に戻ってこられてうれしいです」と喜んだ。
その後に実施された舞台挨拶プレミアでは、客席の通路を通ってスタエルスキ監督が華々しく登場。主演のキアヌ・リーブスについて聞かれると「キアヌとは本シリーズを4本撮ったわけだけれど…まあまあですね!」とジョークを発しながら「今回本作のPRのために来日できず、キアヌもがっかりしていました。でも彼からは『みんな愛している。そして幸運を祈っている』という伝言を受け取ってきました」と報告した。
スタエルスキ監督はリーブスを「ハートも意思も強い男」と評して「今回のために彼は1年かけてトレーニングをし、ヌンチャクを学び、そしてドライビングテクニックを鍛えるために5か月も特訓を重ねました。この映画がすばらしいのは、すべてキアヌの努力と練習のお陰です」と心からリスペクトしていた。
また、シリーズ4作目にして念願の日本ロケが実現したことについては「キアヌと僕は日本の漫画、アニメ、黒澤明監督、『座頭市』などに影響を受けています。これまでのシリーズを観ても日本の影響を感じられたと思います。そして今回は幸運かつお金もあったので、日本での念願の撮影が叶ったわけです」と喜びを噛みしめていた。
キアヌもさることながら、本作には真田広之やドニー・イェンら実力派も顔を揃えたが、スタエルスキ監督は「彼らレジェンド級の俳優と仕事をする場合、私は彼らのありのままを出せる場を作ることを意識しています。すると彼らは最高のものを出してくれるから。今回の私のミッションは、彼らのすばらしいアクションシーンを作ることでした」と演出術を語り「要するに、彼らがすばらしいのは私のお陰ということです!」と茶目っ気たっぷりに語った。
そんななか、花束ゲストとして「ジョン・ウィック」シリーズを全作観ているほどの大ファンだという藤岡と阿部がステージに登壇。藤岡は劇中で展開されるアクションを褒めちぎり「今回は特にすばらしい。アクションはプロ対プロのリアルなアクションが随所に散りばめられており、息をつかせぬ速い展開がある。銃の扱い、カーアクション、日本の刀剣や武道や総合格闘技、そのすべての扱いがすばらしい」と大興奮。
阿部も「すべてのアクションが魅力的。柔道も入っていたりして迫力があって瞬きができない。ジョン・ウィックは強い人で私も憧れています。大好きな作品の監督にお会いできてうれしいです」と喜色満面だった。2人の絶賛コメントを受け、スタエルスキ監督は「格闘家であるお2人にそこまで褒めてもらえるなんて、心からうれしいです」と深々と頭を下げた。
一方、スタエルスキ監督に詳しい阿部は「本作において、ご自身の格闘家としての経験は活かされましたか?」などと質問。これにスタエルスキ監督は「キアヌたちに比べたら私なんて低レベル」と謙遜しつつ「ただ私の格闘経験という背景によって、同じ言語を語ることができました。格闘技経験があることで私は体の動きというものを理解しているので、アクションのコミュニケーションをとる上で役に立ちました」と打ち明けていた。
最後は日本での大ヒットを祈願して3人仲良く鏡開きを行った。スタエルスキ監督は日本のファンに向けて「今日は客席に日本のスタントチームが来てくれています。彼らはすばらしい仕事をして、たくさん倒れてくれました。というか映画そろそろ観たいよね?日本の皆さんありがとう!早く映画を観てください!」と呼び掛け、盛大な盛り上がりのなかで、イベントは幕を閉じた。
文/山崎伸子