山崎貴&樋口真嗣が“ゴジラ愛”炸裂のトークを展開!『ゴジラ-1.0』は「『シン・ゴジラ』のあとで大変でした」
ゴジラ生誕70周年を記念して製作される『ゴジラ-1.0』(11月3日公開)。その公開に先駆け、同作で監督・脚本・VFXを務める山崎貴監督が厳選した「ゴジラ」作品を全4回にわたって隔週で1作品ずつ上映する「山崎貴セレクション ゴジラ上映会」が、池袋HUMAXシネマズにてスタート。その第1回となる9月15日、『ゴジラ 60周年記念 デジタルリマスター版』の上映前にトークショーが開催され、山崎貴監督と『シン・ゴジラ』(16)の樋口真嗣監督が登壇。ゴジラ愛にあふれたトークを展開し会場を沸かせた。
樋口監督が特技監督を務めた「平成ガメラ」シリーズのころから飲み仲間だという2人。国内で製作される「ゴジラ」30作目という節目を飾る作品を手掛けることになった山崎監督は「『シン・ゴジラ』を観直したりして、どうやって違う路線でいくかを考えていました」と、『シン・ゴジラ』を強く意識したことを告白。「『シン・ゴジラ』が公開された時に、『次をやる人のハードルはとんでもなく上がった』とコメントを出したんですが、その挙げ句に自分のところに来てしまいました…」と苦笑いを浮かべ会場の爆笑を誘う。
一方「早く(予告編の)続きが観たいです」と語る樋口監督は、長年親交のある山崎監督が自分からバトンを継いで「ゴジラ」シリーズの監督を務めたことについて「うれしいです」と満面の笑みをこぼし、「山崎さんなら大丈夫だと思ってます」と断言。そして予告編に映るゴジラの姿について「足の爪がかっこいい。いままでのどのゴジラにも似ていなくて、その指の間を人が逃げるシーンがすごくいいなと思いました」と、ゴジラファンの視点から熱弁。
その後トークテーマは「ゴジラ」シリーズとの出会いに移り、樋口監督は「東宝チャンピオンまつり」で上映されたバージョンの『モスラ対ゴジラ』(64)と、その翌年の夏に公開された『ゴジラ対ヘドラ』(71)を挙げ、山崎監督は地元の長野県松本市が舞台に選ばれた『三大怪獣 地球最大の決戦』(67)を挙げ、それぞれ思い出話を披露していく。
そしてこの日上映される1954年版の『ゴジラ』について、樋口監督は「0が1になった瞬間。それまでどこにもないけれど現れたという、映画のなかで一度しかできないことをこの映画はやっている」と特別な作品であることを強調。「改めて初代ゴジラを観ると、もうゴジラへの驚きがなくなったいまだからこそ伝わってくるものがある。何年か前に観た時にボロ泣きしちゃって、そういう感動できる要素があるからいまの『ゴジラ』につながっているんだなと思いました」と熱く語った。
最後に樋口監督は山崎監督に「(『ゴジラ-1.0』を)本当に早く観たいんですけど東宝に言っても誰も観せてくれないんですが…」とぼやきながら、「正直にいうと期待もあるけど嫉妬心もメラメラしています。自分の苦労も忘れて、『ゴジラやれていいな』と思ってしまいます」と述懐。そして山崎監督は「偉大な先人たちが作ってきた『ゴジラ』の新しいものを作るというプレッシャーもあり、『シン・ゴジラ』のあとで大変でしたが、なかなかのものができたと思っています」と『ゴジラ-1.0』に強い自信をのぞかせていた。
「『ゴジラ-1.0』公開記念 山崎貴セレクション ゴジラ上映会」第2回は、9月29日(金)に『三大怪獣 地球最大の決戦』が35mmフィルムで上映。10月に上映される残りの2作品は、追って発表される。
取材・文/久保田 和馬