第36回東京国際映画祭、ガラ・セレクション部門で『哀れなるものたち』『ネクスト・ゴール・ウィンズ』『異人たち』が日本最速上映

10月23日(月)から11月1日(水)にわたって開催される第36回東京国際映画祭。このたび映画祭のガラ・セレクション部門で2024年に劇場公開される『哀れなるものたち』(2024年1月26日公開)、『ネクスト・ゴール・ウィンズ』(2024年2月23日公開)、『異人たち』(2024年春公開)が日本最速上映されることが決定した。

『シェイプ・オブ・ウォーター』(17)、『ノマドランド』(20)、『イニシェリン島の精霊』(22)など、毎年各国の映画祭や賞レースへ常連組として名を連ねている映画会社「サーチライト・ピクチャーズ」。第36回東京国際映画祭のガラ・セレクション部門では、サーチライト・ピクチャーズのヨルゴス・ランティモス監督作『哀れなるものたち』、タイカ・ワイティティ監督作『ネクスト・ゴール・ウィンズ』、そしてのアンドリュー・ヘイ監督作『異人たち』が日本最速上映される。『ネクスト・ゴール・ウィンズ』と『異人たち』についてはアジアで初上映となる。

第36回東京国際映画祭で日本初上映となる『哀れなるものたち』は、アカデミー賞最多10ノミネート、全世界で大ヒットを記録した『女王陛下のお気に入り』(18)のランティモス監督とエマ・ストーンが再タッグを組んで描く新作。先日開催された第80回ヴェネチア国際映画祭では最高賞である金獅子賞を受賞し、早くもアカデミー賞の最有力候補としても話題となっている。第36回東京国際映画祭では、日本での劇場公開同様にオリジナル無修正R18＋バージョンで上映される。物語は、自ら命を絶った不幸な若き女性ベラ(ストーン)が、天才外科医ゴッドウィン・バクスター(ウィレム・デフォー)の手によって奇跡的に蘇生することから始まる。蘇ったベラは“世界を自分の目で見たい”という強い欲望に導かれ、放蕩者の弁護士ダンカン(マーク・ラファロ)の誘いに乗り、壮大な大陸横断の冒険の旅へ出る。貪欲に世界を吸収していくベラが平等と自由を知り、時代の偏見から解き放たれていく姿を描いていく。

ワイティティが第92回アカデミー賞脚色賞を受賞した『ジョジョ・ラビット』(19)以来、サーチライト・ピクチャーズと2度目のタッグを組んだのが『ネクスト・ゴール・ウィンズ』。本作は『ネクスト・ゴール！世界最弱のサッカー代表チーム 0対31からの挑戦』(14)としてドキュメンタリー映画化もされた実話をベースに、『ソー：ラブ＆サンダー』(22)などの大作から『ジョジョ・ラビット』といった心打つ感動作まで幅広く手掛けるワイティティが監督・脚本を務めるスポーツ・コメディ。2001年、ワールドカップ予選史上最悪の0-31の大敗を喫して以来、1ゴールも決められていない米領サモアチームの監督にアメリカを追われた鬼コーチ、トーマス・ロンゲン(マイケル・ファスベンダー)が就任。ロンゲンとサモアチームの面々が1勝を目指して奮闘する姿を笑いあり涙ありの物語で活写する。

『異人たち』は、日本を代表する名脚本家で作家の山田太一が1987年に発表した長編小説『異人たちとの夏』を、『荒野にて』(17) 、『さざなみ』(15)などの作品で知られる監督・脚本家のアンドリュー・ヘイが再映画化したヒューマン・ドラマ。夜になると人の気配が遠のく、ロンドンのタワーマンションに1人で暮らす脚本家アダム(アンドリュー・スコット)は、謎めいた住人、ハリー(ポール・メスカル)に出会い、ありふれた日常に変化が訪れる。ハリーとの関係が深まるに従って、アダムは遠い子供の頃の世界に引き戻され、12歳の時に亡くなった両親が、そのままの姿で目の前に現れる。信じられない再会に固く閉ざしていた心が解きほぐされ、アダムは代え難い安らぎの時を過ごすが、その先には思いもしない世界が広がっていた。

業界人ならずとも注目する映画会社サーチライト・ピクチャーズ。2024年日本公開作品が一足早く見られる貴重なチャンスなので、ぜひ映画祭に参加してほしい！

文/スズキヒロシ

■第36回東京国際映画祭
開催期間：2023年10月23日(月)～11月1日(水)
会場：日比谷、有楽町、丸の内、銀座地区
公式サイト：2023.tiff-jp.net

■TIFFCOM2023
開催期間:2023年10月25日(水)～27日(金)
会場：東京都立産業貿易センター浜松町館
公式サイト：tiffcom.jp