「イカゲーム」イ・ジョンジェ主演&初監督作『ハント』、緊迫感あふれる本編映像を独占公開!
「イカゲーム」で世界的スターとなったイ・ジョンジェが4年間温めてきたシナリオを元に初監督し、盟友チョン・ウソンとダブル主演を果たしたスパイアクション映画『ハント』(9月29日公開)。このたび、東京での緊迫感あふれる情報戦が繰り広げられる本編映像が解禁された。
韓国での公開時には初登場1位を獲得し、第75回カンヌ国際映画祭ミッドナイトスクリーニング部門で上映されると約7分間のスタンディングオベーションを受けた本作。そのほか、第47回トロント国際映画祭、第55回シッチェス国際映画祭、第27回オースティン・ファンタスティック映画祭ほか数々の映画祭で上映され、第43回青龍映画賞、第31回釜日映画賞ほか数々の映画賞で新人監督賞を受賞した。共演にはチョン・ヘジン、ホ・ソンテ、コ・ユンジョンなど韓国を代表する俳優のほか、カメオでも豪華俳優陣が出演した。
解禁されたのは、組織内に入り込んだ“北”のスパイ=通称“トンニム”による情報漏洩によって、作戦が失敗するというシーンの本編映像だ。このなかの誰かが裏切者であるという空気が一気に張り詰め、駆け引きをしていくことに。
安全企画部(旧KCIA)のパク・ピョンホ次長(イ・ジョンジェ)ら海外チームは、南への亡命希望者を保護するため、東京のクラウンホテルに集まっていた。そこに亡命希望者から電話が入り、合言葉の後に名前、所属、役職を聞き出そうとすると「そっちの情報部に北のスパイがいる」ため、南朝鮮に着くまではなにも言えないと告げられる。チーム内に緊張が走り、パク次長は組織内にスパイはいない、トンニムは逮捕されたと毅然とした態度で応じるが、極秘で進めていた北への潜入作戦もトンニムによって既に情報が漏れていた。
急いで国内チームのキム・ジョンド次長(チョン・ウソン)へ作戦の中止を伝えるも、時すでに遅く、北に潜入した417特殊部隊は全滅してしまう。それは逮捕した人物が本当のトンニムではなく、組織内の誰かがトンニムであることが確実となった瞬間だった。いったい誰がスパイなのかがわからない、手に汗握るシーンとなっており、ダイヤル式の電話や録音機などリアリティのある小道具もシーンの没入感を高めている。
『工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男』(18)を手掛けたプロダクションデザイナーのパク・イリョンは、「安全企画部のように歴史のなかに隠された空間は、情報量の多い資料を見つけるのが難しかった。時代資料、記録映像など様々な資料を参考にして再解釈した」と明かしている。
豪華俳優陣の見事な演技だけでなく、時代背景を繊細に表現した美術や、細部にまで冴えわたるイ・ジョンジェ監督の演出にも注目したい。
文/山崎伸子