鶴瓶しみじみ「生きとくもんやなぁ…」松ケン・いとう・生瀬と映画への思いを語る!『怪盗グルーのミニオン大脱走』公開記念スペシャルインタビュー
去る7月16日、東京・竹芝からジェット船で約3時間のところにある、人口約500人、映画館のない式根島にて『怪盗グルーのミニオン大脱走』(公開中)の特別試写会が開催され、キャラクターを演じた吹替キャストが勢ぞろいした。
今作では、笑福亭鶴瓶が吹替を担当する主人公・グルーの双子の兄弟ドルーが登場し、80年代サウンドに乗って悪事を働く宿敵・バルタザールとの対決や、グルーの妻ルーシーと娘たちが親子の絆を試される展開が待っているなど、見どころが満載。もちろんミニオンたちも画面せましと暴れまわる。
定員150名の公民館に畳を敷いて行われた試写会の終了後、笑福亭鶴瓶、松山ケンイチ、いとうあさこ、生瀬勝久の吹替キャストの面々に、イベントを終えた感想と、自身と映画との関わりについて伺ってきた。
いとう「あの畳、本当に良かったですね」
松山「あれは本当に最高でした。座席が全部畳って良いですよね」
鶴瓶「僕らが子供の頃に、暗くなったら運動場で映画を観るんですね。それを思い出しましたよ」
生瀬「あったあった。近所の人たちと一緒に観るっていうね。独特な原体験として残ってます。怪獣映画とか」
鶴瓶「僕らが子供の時は映画全盛期だから、映画館の扉が閉まらないんですよ。入れ替わりの時に、親父が帽子を放って席を取るという(笑)」
いとう「あと、入れ替えがなくて、ずっと座ってて良い所もありましたよね」
鶴瓶「そうそう。そういう時代からだんだん変わってきて、また今、映画界が良くなって来てますけれども、全然映画館がない島だからこそ、今回のようなイベントは、本当に嬉しいやろなと思う。本人たちが来るんやからね、(吹替を)やっている人らが。どういうつもりで見てたんやろうね、子供らは理解できないやろ?」
生瀬「わかってないでしょうね。『なんやねん、このおっちゃんら!』って(笑)。盛り上げるゲストみたいな、応援団みたいなね」
キャストたちの“思い出の一本”は?
鶴瓶をはじめとした、息ピッタリのキャスト陣の掛け合いに、部屋にいたスタッフや記者からも、つい笑いがこぼれていた。盛り上がる一同の会話は、自身の思い出の映画の話に。
いとう「私は『ローマの休日』なんかを観た後は、シーンをマネして階段を降りるような感じです。未だに映画が好きですけど、映画は一人と決めていて、誰かと一緒に行って先に泣かれると気になるし、こっちが泣き出したら、見られるの嫌だし(笑)」
生瀬「僕は学生時代、京都にいたんですが、そこで3本立てとかで映画がやっていて。僕が観たのは『サボテン・ブラザーズ』と『プラトーン』の2本立てで、どういう気持ちになれって言うねん!と(笑)」
松山「僕の地元の映画館も、ちょうど小学校の高学年くらいになくなったんですよ。でも、やっていたのはアニメしかなかったんです。だから、1か月に1回、文化会館で上映があって、そこで中学校の時に初めて観たのが『グリーンマイル』とか『ラッシュアワー』でした」
いとう「やっぱり若いですね」
生瀬「世代だなぁ…」
松山「映画っていうのは、テレビで観る『ゴーストバスターズ』とかしかなかったんですよ。だから、映画で育ってきてないんです、こんな仕事してますけど。東京に出てきて、いろいろ観始めました」
鶴瓶「俺とかはそもそもお笑いやんか。お笑いに入って、そんなね、藤竜也さんとか、浅丘ルリ子さん、吉永小百合さん、そんな方々と一緒に(映画に)出られるなんて不思議よ。もう45年くらい長い事やってるけど、考えると凄いよね。その人としゃべってるんやで」
いとう「生きとくもんですねぇ」
鶴瓶「生きとくもん…やかましい!」【取材・文/MovieWalker】