『ミュータント・タートルズ』監督が語る、ジャッキー・チェンとの夢のコラボ「キャラクターの魅力をさらに引き立ててくれた」
“生きる伝説”ジャッキー・チェンは「本当にとてつもない俳優」
そのようなテーマ性は、タートルズやエイプリル以外のキャラクターにも通じているのだとロウ監督は明かす。「例えばタートルズの父親的存在であるスプリンター。彼は孤独で、人間に対する憎悪と侮蔑の仮面をかぶっているが、その内面では受け入れられたいと思っている。彼は世界に自分の居場所を求めているのです。ネズミは地球で最も嫌われている存在のひとつなのだけれど」。
スプリンターの声を担当しているのはジャッキー・チェン(日本語吹替版では堀内賢雄が担当)。ロウ監督は、この世界的アクションスターについて「彼は生きる伝説だ。僕が大好きな作品の多くに彼が関わっているから、僕にとって象徴的な存在とも言えます」と熱烈な敬意をのぞかせる。
「制作陣のなかでは『ジャッキーにスプリンター役をやってもらいたいけど、そんなの不可能だよね』と話していました。でも彼は引き受けてくれました」。ジャッキーのアフレコ収録は、北京からのリモートで行われたという。「時差の関係もあったので、僕らは朝の6時に起きなければならなかった。最後まで変な気分だったけれど、それが制作期間のなかでも特に最高の朝だったと思います」。
そして「彼ほど仕事に対して一生懸命な人はいままで見たことがない。本当にとてつもない俳優です。可能な限り何度もやり直して、しっかりと最後までスプリンターを演じ切ってくれて、キャラクターの魅力をさらに引き立ててくれるだけでなく、僕らに多くのことを与えてくれました。ジャッキーと働けてとても楽しかった。まさに評判通りの俳優です」と、本作でのコラボレーションを経て“ジャッキー愛”がさらに高まりを見せたことを興奮気味に語っていた。
文/久保田 和馬
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