「展開がまったく見えない!」「未来について考えさせられる」異色の音楽映画『白鍵と黒鍵の間に』を観客はどう観た?

コラム

「展開がまったく見えない!」「未来について考えさせられる」異色の音楽映画『白鍵と黒鍵の間に』を観客はどう観た?

池松壮亮の演技力に感嘆…実力派が演じる魅力あふれるキャラクターたち

ユーモアにあふれるコミカルな語り口で博を、貫録を感じさせる演技で南を、それぞれ演じ分ける池松
ユーモアにあふれるコミカルな語り口で博を、貫録を感じさせる演技で南を、それぞれ演じ分ける池松[c]2023 南博/小学館/「白鍵と黒鍵の間に」製作委員会

そんな物語を主人公として引っ張るのが南と博。南は才能にあふれているが、夜の世界に染まり夢を見失ってしまったピアニスト、一方の博は希望に満ち、ジャズマンになる夢に向かって邁進する若きロマンチストだ。顔はまったく同じだが、心のなかは真逆。そんな裏表のような人物を繊細に演じ分けた池松の演技には、

「いまの南も3年前の博も悩みもがいている心情を表現した池松さんの演技がよかったです」(20代・男性)
「池松さんの演じ分けがすごかった」(20代・女性)
「まったく別の人のような演技がすごかった」(20代・女性)


と多くの称賛が寄せられた。また、主人公の心の移ろいを、南と博という2人に分けて表現した“ややこしい”キャラクターゆえ、印象や考察の声も。

夜の街でピアニストとして修行しながらジャズマンを夢見る博
夜の街でピアニストとして修行しながらジャズマンを夢見る博[c]2023 南博/小学館/「白鍵と黒鍵の間に」製作委員会

南は銀座の夜の街に染まり、自分を見失っている
南は銀座の夜の街に染まり、自分を見失っている[c]2023 南博/小学館/「白鍵と黒鍵の間に」製作委員会

「夢や希望を持って新しい場に踏み込みながらも抜け出せなくなっているのがかわいそうに感じた」(20代・女性)
「最初は気づかず、違和感がずっと続いていました。3年で人は変わる。でも根本はやっぱり変わっていないんだなと」(20代・女性)
「南…ゴッドファーザーに魅せられ狂気に堕ちていく=黒鍵、博…先生の教えを胸に明るい道へ進む=白鍵」(20代・女性)

危険なムードを放つ“あいつ”を森田剛が怪演している
危険なムードを放つ“あいつ”を森田剛が怪演している[c]2023 南博/小学館/「白鍵と黒鍵の間に」製作委員会

主人公の脇を固める人物も「全員印象に残った」との声があったほどクセ者ばかりで、実力派たちが魅力的に演じている。例えば、刑務所上がりのチンピラである“あいつ”は、騒動の発端となるキーパーソン。危ない香りとつかみどころのない飄々とした雰囲気を漂わせた森田剛の演技には、思わず目を奪われる。

「渋さと小物感の演技がよかった」(30代・男性)
「森田剛さんらしい演技でキーパーソンとなり、作品に必要な人物だった」(20代・女性)
「難解な映画のなかで意志や意図が明確だったと思います」(20代・女性)

高橋和也演じた三木の情けなくも人間味のあるキャラクターも魅力的だ
高橋和也演じた三木の情けなくも人間味のあるキャラクターも魅力的だ[c]2023 南博/小学館/「白鍵と黒鍵の間に」製作委員会

仲里依紗が演じる、博の大学時代の先輩であり、クラブでは南のバンド仲間でもある千香子には「昔の博を知っている重要な人物であり、"2人"とのほどよい距離感のある演技が絶妙だった」(20代・男性)という声が寄せられた。また「愛嬌があり、すてきな人でありながら実は不満や寂しさを抱えて生きている人とわかったから」(20代・女性)という言葉が寄せられたクラブのバンドマスターである三木役の高橋和也「出演シーンは少ないですが、大切な人物なんだと感じた」(20代・女性)という主人公の恩師、宅見を演じた佐野史郎ら、ベテランたちのさすがの演技は物語に深みをもたらしている。


恩師の宅見を佐野史郎が渋さのある演技で表現
恩師の宅見を佐野史郎が渋さのある演技で表現[c]2023 南博/小学館/「白鍵と黒鍵の間に」製作委員会
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