玉山鉄二、相棒不在も9年振りの次元大介に充実感!「生きている心地がした半年間」
ルパン三世の最高の相棒にして早撃ちの天才ガンマン、次元大介にスポットをあてたオリジナルストーリーを描く、Amazon Original映画『次元大介』(10月13日よりPrime Videoにて世界独占配信)のワールドプレミアが10月10日、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて開催され、玉山鉄二、真木ことか、草笛光子、さとうほなみ、橋本一監督が登壇した。
2014年公開の実写映画『ルパン三世』に続き、9年ぶりに次元大介を演じた玉山は「前回は相棒のルパンがいて、五エ門もいて…。安心感があったけれど、今回はある少女と出会った次元のすったもんだが描かれます」としみじみ。アクションも芝居もやることがたくさんあったと振り返った玉山は「すごく有意義な半年間。僕としては生きている心地がした半年間でした」と充実の表情を見せた。
見どころはなんといっても次元のガンアクションだ。「次元は世界一のガンマンだから、構えている時点でもう相手を倒しちゃっている。そう考えるとアクションの尺がどうしても短くなってしまうので、いかに伸ばして、そこにたどり着くまでのプロセスを構築するのかを何度も何度も話し合いました」と力を込めて語り、派手な見せ方、シンプルな見せ方で抑揚をつけるように工夫をしたことも明かしていた。
橋本監督は「たくさんの作品を撮ってきたけれど、すべての作品の弾数を合わせても足りないくらい、今回はドンパチ撃てたのがとても楽しかったです」とニッコリ。CGは極力使わないようにしたというガンアクションシーンでのこだわりにも触れていた。橋本監督のこのコメントに「最初は耳がキーンとなったけれど、後半は慣れてきちゃって。もっとくれ!みたいな状態になっていました。とても気持ちよかったです」と爽快感も味わった様子。表向きは寂れた時計店を営む世界一のガンスミス、矢口千春役の草笛にもアクションシーンがあると話した橋本監督は、イベント後に完成作品を観る予定という草笛と観客に「楽しみにしてくださいね!」と笑顔で呼びかけた。細かい作業が多かったという草笛だが「目は悪くないから、割とすいすいとできましたよね?」と橋本監督に確認。うなずく橋本監督を見つめながら「じゃあ、これから(ガンスミスを)やろうかしら」と茶目っ気たっぷりりに話すと、会場は大きな拍手に包まれた。
イベントでは22日(日)に90歳を迎える草笛に花束をプレゼントするというサプライズも。玉山から花束を受けとった草笛は「ありがとうございます」と笑顔を浮かべた直後に、「90歳。なにがめでたい(笑)」とニヤニヤ。「私、もう90歳?と思ったけれど、あっという間に90という数字が目の前に入ってきました。本当にあっという間。90歳と闘おうかと思ったけれど、闘ったら損。受け入れて、90歳を大事に生きてみようと思います」と抱負を語り、深々とお辞儀をした。
イベント後半には、次元の愛銃コンバット・マグナムにちなみ、自身にとって欠かせないもの、相棒のような存在をフリップで発表する場面も。玉山演じる次元が出会う少女、オトを演じた真木はぬいぐるみが大好きだそうで、ステージにはトランクに入ったぬいぐるみを持参。実はこのぬいぐるみは、撮影中に玉山からプレゼントされたものだそうで、「すごくうれしかったです。私の相棒です!」と満面の笑みでぬいぐるみを撫でる。クリスマスに京都で撮影があると知った玉山は、「なんとか彼女のテンションを上げてあげたいと思って。見知らぬ土地で、クリスマスに撮影って…」と振り返り、「いろいろ調べたら、ドイツの職人が手作りしているトランク付きのぬいぐるみを見つけてプレゼントしました。僕はあの日、このぬいぐるみ入りのトランクを持って新幹線に乗りました」とちょっと照れながら告白。さらに、真木の芝居についても絶賛。「彼女、本当にすごかったんです。集中力が途切れない。泣くお芝居も一度スイッチが入ると、3〜4時間くらいずっと泣いている。大人顔負けの集中力で、我々が勉強させられる感じでした。昔の自分は全然できてなかったのにな…って思いました(笑)」と苦笑いしていた。
コロナ禍の影響もあり、撮影は当初の予定よりもだいぶ先延ばしになったという。「僕たち出演者の裏では、情熱をかけていろいろと動いてくれた人がいます。いろいろな人間が情熱をかけて、時間もかけて作り上げた作品です。とことん楽しんでほしいです!」と作品に関わった面々に感謝をしつつ、熱い思いを込めたメッセージを送っていた。
取材・文/タナカシノブ