御年88歳!『カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~』日常を切り取った特報&場面写真

映画ニュース

御年88歳!『カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~』日常を切り取った特報&場面写真

「魔女の宅急便」の作者である児童文学作家、角野栄子の日常に4年にわたって密着したドキュメンタリー映画『カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~』が2024年1月26日(金)より公開される。このたび特報及び場面写真が解禁された。

【写真を見る】全身ピンクのコーディネートが可愛い角野栄子
【写真を見る】全身ピンクのコーディネートが可愛い角野栄子[c]KADOKAWA

カラフルなファッションと個性的な眼鏡がトレードマークの角野。鎌倉の自宅では自分で選んだ「いちご色」の壁や本棚に囲まれて過ごしている。5歳で母を亡くして、戦争を経験した角野は、結婚後24歳でブラジルに渡り、34歳で作家デビューするなど、波乱万丈な人生を歩みながら、持ち前の冒険心と好奇心で幾多の苦難を乗り越えてきた。“想像力こそ、人間が持つ一番の魔法”と語る角野栄子とはどういう人物なのか?88歳のキュートな“魔女”が、老いや衰えさえも逆手にとって、いまもなお夢いっぱいな物語を生みだす秘訣に迫る。

解禁された特報では、「老人なんだけど、そのつもりじゃないっていうのが可笑しいわね」とお茶目に笑う角野のカラフルな日常が切り取られている。パソコンに向かい執筆し、庭でお花を摘み、眼鏡屋で買い物をし、海辺を散歩してと、忙しくも楽しく暮らす日々を送る角野。映画では、デビュー作の「ルイジンニョ少年:ブラジルをたずねて」のモデルであり、ブラジルに住んでいたころの恩人、ルイジンニョと、実に64年ぶりの再会を果たす。奇跡の再会について「思い出っていうのは過去のことです。それが未来で待っている」と角野自身も喜びを隠せない。「魔法がないのかと言えば、ある。その人、一人ひとりに魔法がある」という言葉ともに締めくくられた、角野のあたたかな人柄が伝わってくる特報に仕上がった。

『カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~』の場面写真
『カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~』の場面写真[c]KADOKAWA

角野の代表作「魔女の宅急便」は、野間児童文芸賞、小学館文学賞などを受賞、さらに映画化、舞台化され、世界的ロングセラーとなった。そして角野は2000年には紫綬褒章、2014年に旭日小綬章を受章。2018年に児童文学の「小さなノーベル賞」といわれる国際アンデルセン賞作家賞を日本人3人目として受賞するなど、世界的作家でもある。

カラフルなファッションと個性的な眼鏡がトレードマークの角野栄子
カラフルなファッションと個性的な眼鏡がトレードマークの角野栄子[c]KADOKAWA

映画は、2020年から2022年にかけてNHK Eテレにて全10回にわたり放送された「カラフルな魔女〜角野栄子の物語が生まれる暮らし」をもとに、新たに撮影し、再編集した内容となる。放送後は番組を観たファンからの熱い感想が数多く寄せられ、今回の映画化が実現した。さらにNHK Eテレにて10月(毎月1週目の日曜日)から新シリーズもスタート。映画の語りは、レギュラー番組の温かな声で角野をアシストしてきた女優の宮崎あおいが引き続き担当する。監督は、NHKで様々な人気番組をプロデュースしてきた宮川麻里奈。レギュラー番組でも構成、演出を担当し、角野との信頼関係を築きあげてきた宮川は、映画初監督となる。音楽は、ロンドンを拠点に活躍する作曲家の藤倉大。15歳で単身渡英し、セロツキ国際作曲コンクール優勝、2017年ベネチアビエンナーレ銀獅子賞、尾高賞など数々の音楽賞を受賞している。オーケストラや演奏家から新作依頼が殺到し、いま世界各国で演奏されている気鋭の作曲家が、映画音楽を初めて手掛けた。

『カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~』の場面写真
『カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~』の場面写真[c]KADOKAWA

また、隈研吾設計による「魔法の文学館」(江戸川区角野栄子児童文学館)が11月3日(金・祝)文化の日に開館する。江戸川区にゆかりのある角野の世界観をイメージし、自ら選んだ約1万冊の児童書で、子どもたちが豊かな想像力をはぐくむことができる場を提供。映画の公開、文学館の開館と88歳にしてなお、角野栄子の世界はどこまでも広がっていく。


昨今、『人生フルーツ』(16)、『フジコ・ヘミングの時間』(18)、『アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー』(14)など、人生の先輩がすてきに生きる物語が熱烈に支持されている。それぞれに共通するのは「自分の好きなものがなにかをわかっていて、自由な発想で、自分らしく」生きていること。角野が教えてくれる、誰もが使える“人生を変える魔法”とは、“想像する力”だ。楽しいも、退屈も、想像力次第。そんな、自らに魔法をかけて、未来を切り開いてきた軌跡を巡る本作をぜひスクリーンで観ていただきたい。

文/山崎伸子

※宮崎あおいの「崎」は「たつさき」が正式表記

関連作品