「BLAME!」「シドニア」秘話も!「大雪海のカイナ」監督&プロデューサーたちが企画発足からの約10年を振り返る

インタビュー

「BLAME!」「シドニア」秘話も!「大雪海のカイナ」監督&プロデューサーたちが企画発足からの約10年を振り返る

「いまの僕のチームとポリゴンのチームで結束したら、さらにパワーアップした連合軍ができる可能性がありますね」(瀬下)

久しぶりの再会に、会話が止まらない3人
久しぶりの再会に、会話が止まらない3人撮影/河内彩

――設立40周年を迎えられたということで、制作会社としてのポリゴン・ピクチュアズについてのお話も伺いたいです。

守屋「『シドニア』のころと比べてポリゴン・ピクチュアズのアニメ、よくなりましたか?」

瀬下「すごく愛していたし、いまでも愛しているスタジオです。独立したからわかるけれど、ポリゴン・ピクチュアズはやっぱり国内でも稀有な存在です。フル3DCGのセルルックアニメで、現実的なコストでここまでできる会社はポリゴン以外にはない。だからこそ、同じやり方ではなく僕なりの違う形で、フル3DCG長編アニメーションの可能性や作り方、組織まで含めた可能性を追いかけています。ポリゴン・ピクチュアズの完成度が上がっていくことには故郷が豊かになっていくような喜びを感じるし、だからこそ負けじと頑張らなければいけないと思える。非常にいい刺激をいただいています」

安藤「40年前の黎明期からCGアニメーションに挑み続けていること、僕としては同時期にCGアニメーションに夢を持ったものとして、感謝しかありません。会社を越えてCG業界を引っ張り、継続してCGアニメーションの夢を実現し続けてくれています。40年前に見た夢を叶えてくれる存在です」

守屋「まさにファンタジーだね(笑)」

――ポリゴン・ピクチュアズのこれから、守屋さんが目指しているものはありますか?

「大雪海」というタイトルの発案者でもある、ポリゴン・ピクチュアズのプロデューサー、守屋秀樹
「大雪海」というタイトルの発案者でもある、ポリゴン・ピクチュアズのプロデューサー、守屋秀樹撮影/河内彩

瀬下「守屋さんのヴィジョン聞きたい!」

守屋「CGが活きる分野に領域を広げていきたいと考えています。CGを使う意味についてとことん追求していきたいですね。ちょうど、最近作った作品で強く思うところがあったので」

瀬下「えー!僕が期待する守屋さんの大胆さがない!実直なコメントすぎる。そこはやっぱり、ポリゴンにある『大軌道樹を全部ぶった切ってやります』くらいは言ってほしいな!(笑)」

守屋「そういうキャラじゃないのよ(笑)」

瀬下「霧亥(『BLAME!』の主人公)だもんね(笑)」

守屋「ポリゴンを卒業した人たちとまた一緒に作品を作りたい気持ちもあります」

瀬下「それはぜひ。いまの僕のチームとポリゴンのチームで結束したら、さらにパワーアップした連合軍ができる可能性がありますね」

安藤「それは僕もすごく楽しみです」

――楽しみと言えば、川崎チネチッタで音響監督さんが調音された上映イベント《東亜重工サーガ》 『BLAME!』『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』特別音響上映&スペシャルトークも開催されます。(上映される作品)それぞれのオススメポイントをお願いします!

安藤「音響監督の土屋(雅紀)さんと音響効果の倉橋(裕宗)さんに協力していただき、すばらしい音にしてもらいました。チネチッタだけの特別仕様なので、没入感を堪能してください」

瀬下「キーワードは落差。音なら、静けさから一気に大音量に。映像なら、すごく引いた画から一気にクローズアップ。この落差は弐瓶さんの原作のエッセンスです。ページをめくったら前のページにいた登場人物がどこにいるのか分からなくなる(笑)、そういう落差がポイントです」

守屋「トークイベントにも登壇するので、またマニアックな話が飛び出すと思いますよ。お楽しみに!」

2014年夏頃から構成が練られ始め、ついに完成した『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』
2014年夏頃から構成が練られ始め、ついに完成した『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』[c]弐瓶勉/東亜重工開拓局


取材・文/タナカシノブ

『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』で 壮大な世界へ飛び込もう!【PR】

【イベント概要】
入場者特典付! 《東亜重工サーガ》 『BLAME!』『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』特別音響上映&スペシャルトーク

・実施日:2023年10月29日(日)
・実施劇場:川崎チネチッタ
・実施時間:13:00開映
※『BLAME!』『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』上映に続いてトークイベントあり

・登壇者(予定)
安藤裕章(『大雪海のカイナ ほしのけんじゃ』監督)
瀬下寛之(『BLAME!』監督)
吉平”Tady“直弘(『シドニアの騎士 あいつむぐほし』監督)
守屋秀樹(各作品プロデューサー)
※登壇者は、予告なく変更となる場合がございます。

スケジュールおよびチケット販売情報などの詳細はこちらをご確認ください。

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