くるり岸田繁、『くるりのえいが』舞台挨拶で名曲『東京』歌詞の“飲み物”代金エピソードを明かす|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
くるり岸田繁、『くるりのえいが』舞台挨拶で名曲『東京』歌詞の“飲み物”代金エピソードを明かす

イベント

くるり岸田繁、『くるりのえいが』舞台挨拶で名曲『東京』歌詞の“飲み物”代金エピソードを明かす

結成当時のオリジナルメンバー揃ってのニューアルバム制作の舞台裏に迫ったドキュメンタリー『くるりのえいが』。その公開記念舞台挨拶が14日都内で行われ、くるりの岸田繁、佐藤征史、森信行、佐渡岳利監督が参加した。

くるりの代表曲であり、1998年発売のメジャーデビュー曲『東京』。岸田は“飲み物を買いにゆく”という歌詞が生まれた背景について、「綾瀬にあるスタジオで遊んでいるうちになんとなく形が見えてきた曲で、その時はお金が5円くらいしかなくて、バンドの中で豊かな佐藤さんも800円くらいしか持っていなかった。そんな佐藤さんから小銭をもらって缶コーヒーを買って飲んだら美味しいと思った。歌詞に“飲み物を買いにゆく”とあるのは、佐藤さんが僕に120円くれたからです」と解説。


曰く、その120円はまだ返していないそうで「次回返します!」と約束すると、当の佐藤は「貸しているお金が貯まったらラーメンのおごりで返してくれたので、当時の借金はほとんどチャラになっています」と優しい笑顔で許していた。

【写真を見る】知られざる名曲秘話、その内容とは?
【写真を見る】知られざる名曲秘話、その内容とは?

会場に詰め掛けたファンに向かって岸田は「映画をご覧になった後にひょっこりと舞台に出てくるという…。なんかスミマセン」と緊張気味も「映画を完成させ、アルバムも完成させることが出来て幸せです」とうれしそう。佐藤は「自分たちの映画だとはわかっているけれど、それを皆さんが観ているという実感がありません。自分も映画館で観たいと思って妻に『一緒に観に行かないか?』と誘ったら『あんたとは死んでもイヤや』と言われたけれど、そりゃそやなと…」と自虐。森は「皆さん、実物ですよ!20年の時を経てこうして集まってしかも映画に出るという。信じられない感じ」としみじみしていた。

森信行
森信行

伊豆スタジオでの合宿レコーディングの日々について岸田は「食卓に出たエビフライが印象深いです。ホンマに大ぶりで3本もあってそれが何よりでした」と笑わせつつ「私はカメラを向けられたら顔をそむけてしまうくらいのあがり症。でも佐渡監督はそんなことを気にさせないくらい撮られているのがわからなかった。プロは凄い」と感激。佐藤も「空気のようにスタジオに滞在されて撮られて。嫌なんて感覚がなかった」、森も「照明もピンマイクもなく、僕らが喋っているそのままを撮ってもらえた。カメラマンと夜飲んだのも楽しかったな」と自然体で過ごせたようだった。

取材・文/石井隼人

作品情報へ