『エクソシスト 信じる者』が北米初登場No. 1!ハロウィンに向けてあのカルト映画も再登場
先週末(10月6日から8日)の北米興収ランキングは、8月に亡くなったウィリアム・フリードキン監督が50年前に手掛けて世界中で大ヒットを記録した『エクソシスト』(73)の直接的な続編となる『エクソシスト 信じる者』(12月1日日本公開)が初登場で首位を獲得。元々は10月13日に封切られる予定だったものの、テイラー・スウィフトのライブドキュメンタリー映画の公開が決まったことで急遽1週間前倒しに。その選択は正解だったといえるだろう。
初日から3日間の興収は2649万ドルで、他に大きな新作タイトルがなかったことを踏まえると少々厳しいスタート。「エクソシスト」シリーズの前作はポール・シュレイダー監督の『Dominion: Prequel to the Exorcist』(05)だが、同作は小規模での限定公開作品。その前の『エクソシスト ビギニング』(04)はオープニング興収1800万ドルで最終興収は4182万ドル。それを上回ることには成功しているが、もう20年前の作品なので積極的に比較はしづらい。
今回の作品は当初リブート作品として製作される予定だったが、ブラムハウス製作のもとで続編に方向転換。しかも“新3部作”の第1作ということになるので、同じデヴィッド・ゴードン・グリーン監督の「ハロウィン」シリーズと方向性は一致している。その『ハロウィン』(18)は、ちょうど5年前の同時期に公開されオープニング興収は7600万ドル。同作と比較すると、なおさら厳しい滑りだしとなったことは否めないだろう。
さらに批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば、批評家からの好意的評価の割合は22%、観客からのそれは58%と、ジャンル映画としては安定した評価を得てきたブラムハウス作品にしては低調な評価になったこともまた苦しいところ。もっとも「エクソシスト」シリーズは伝説的な1作目を除けばいずれも評価は伸び悩む傾向にあり、想定通りといえなくもない。あとはこの批評・興行面のダメージが、今後の2作に影響を及ぼさないことを願うばかりだ。
トップテン圏内の初登場作品はもう1本。公開30周年を記念してハロウィン合わせで再上映がスタートした『ホーカス・ポーカス』(93)が10位にランクイン。長年カルト的人気を博し、コロナ禍の再上映で人気が再燃。2021年には待望の続編も作られた同作は、1430館で週末3日間興収160万ドルとまずまずの成績を記録。ここからハロウィン本番に向けて、改めてこの映画の人気の高さを見せつけてくれることだろう。
文/久保田 和馬