入江悠監督最新作『あんのこと』2024年6月7日公開決定!主演は河合優実に
『SRサイタマノラッパー』(08)、『AI崩壊』(20)の入江悠監督最新作『あんのこと』の公開日が2024年6月7日(金)に決定。今回、本作の主演を河合優実が務めることが明らかになった。
本作は、2020年6月に新聞に掲載された「ある1人の少女の壮絶な人生を綴った記事」に着想を得て描かれた実話を基にしたヒューマンドラマ。機能不全の家庭に生まれた少女は、虐待の末にドラッグに溺れてしまう。しかしそんな彼女は、人情味あふれる型破りな刑事や、更生施設を取材する週刊誌記者をはじめとした人々と出会い、その見返りを求めない姿に次第に心を開き、生きる希望を見いだしていく。しかし、微かな希望をつかみかけた矢先、どうしようもない現実が彼女の運命を残酷に襲うのだった。第75回カンヌ国際映画祭カメラドールスペシャルメンション賞を受賞した『PLAN 75』(22)のスタッフ陣が再集結し、現代社会のリアルな縮図を描き出す。
今回、主人公の杏役に、第14回TAMA映画賞最優秀新進女優賞や第44回ヨコハマ映画祭助演女優賞、第35回日刊スポーツ映画大賞、石原裕次郎賞新人賞を受賞し、11月3日(金)放送予定の「NHKスペシャル “宗教2世”を生きる」ドラマ編「神の子はつぶやく」にて主演を務める河合が決定。最悪な家庭環境のなかで育ちながらも、心から信頼できる人々と出会うことで、次第に生きることに楽しみを見いだしていく杏の心の機微を繊細に演じる。
河合は「この映画を作ること、杏のことを演じるということで、なにができるのか、なにをすべきなのか、なにがしたいのか。繰り返し問いながら、でも彼女と心の中でしっかりと手をつないで、絶対に離さずに、毎朝、今日もよろしく、いってきますとお祈りして撮影に向かっていました」と今回の出演に対してコメント。また、入江監督は「時代の移り変わりがどんどん早くなり、多くのことを忘れていってしまうから、この映画を作って刻みつけておきたいと思いました。旅立った人へ向けて映画を作るという行為が正しいのかいまもわからないのですが、鎮魂の気持ちをこめて作りました」と本作に込める思いを語っている。
社会が黙殺し、我々が取りこぼしてしまった少女の人生を、入江監督は一篇の映画としてどのようにすくい上げているのだろうか?2020年の経験を経たいまだからこそ、本作のメッセージを劇場で受け止めたい。