佐々木蔵之介、高橋恭平とハードな撮影も並々ならぬ充実感!「最高でした。終わってしまうのが寂しいくらい」
「ヤングマガジン」で人気連載中の漫画を連続ドラマと映画で実写化する『マイホームヒーロー』(ドラマは10月24日よりMBS/TBSドラマイズム枠で放送開始、映画は2024年3月8日公開)の制作発表イベントが10月17日に有楽町朝日ホールで開催され、佐々木蔵之介、高橋恭平(なにわ男子)、齋藤飛鳥、木村多江が登壇した。
今年4月にテレビアニメ化も果たした本作は、ごく普通のお父さんである鳥栖哲雄(佐々木)がある日、娘の彼氏を殺して殺人犯になってしまったことから始まるサスペンス。推理小説オタクのおじさんが家族を守るために、間島恭一(高橋)ら犯罪組織との命をかけた戦いに挑む姿を描く。今回、ドラマの1、2話が上映された後にイベントが開催されたが、ドラマの興奮冷めやらぬ会場内は熱気ムンムン。キャスト陣が登場すると、それぞれが目を丸くするほどの大歓声が沸き起こった。佐々木も拳をあげて喜びを表現し、「ドラマの放送に先行して、お客様と(作品を)共有できる機会はそんなにない。実はドキドキしていました」と胸の内を吐露。「すごく歓迎を受けて、うれしく思っています」と笑顔を見せた。
人気原作の実写化となる本作。殺人犯になった父親を演じた佐々木は、「原作を拝見して、この役ははっきり言って犯罪者。でも“マイホームヒーロー”。このギャップにやられました。彼は淡々と遺体処理を料理のレシピのようにこなしていく。リアリティもありながらおもしろ味もあるという、このキャラクターを演じさせていただけるのは、こんなに光栄なことはない。こんなに役者冥利に尽きることはないなと思った」と役を受け取った時の心境を明かし、「撮影中もとても幸せな期間でした。今日こうして皆さんに観ていただいて、また感無量です」と目尻を下げていた。
鳥栖哲雄を執拗に追い詰める半グレ集団のリーダー格を演じたのが、高橋だ。原作をもともと知っていたという高橋は「半グレで切れ者」と役柄を紹介し、「初めての役柄で、しかもずっとやりたかったような役柄。楽しみながら、初めてのことをいっぱい経験しながら、僕としても挑戦になるような役柄。勉強になりました」と新境地になった様子。
哲雄と歌仙(木村)の娘、零花役に扮した齋藤は、原作のことを大好きなスタッフが周りにいたという。「その人が、絶対に受けたほうがいいよと言ってくださった。『じゃあ、やってみよう』と思って原作を読んで、やらせていただいた。そのスタッフさんから『大成功な作品だと思う』と言っていただいたので、そういった作品に出られて光栄です」と語った。また夫の秘密を守り、支える妻の歌仙役を演じた木村は、「漫画や小説など原作のあるものは、皆さんのイメージがあるので、それを壊してはいけないなと思った」とプレッシャーがあるものだというが、「でも漫画を見たら『結構、似てない?』と思って。いけるんじゃない?と思って」とビジュアル的に近いものを感じたと話し、原作ファンと思われる観客を大きくうなずかせていた。
今年の冬から春にかけて敢行された撮影を振り返った佐々木は、「とてもやりがいがありました。出演シーンの9割がピンチなんです。常に頭をフル回転で、身体も動かしている役。隣にいる人に殴られたり、蹴られたりしながら…」とステージで隣に並んでいた高橋との共演を思いだして、苦笑い。「血だらけになりながら、毎日撮影をしていた。最高でした。本当に気持ちいい時間でした。終わってしまうのが、『この役が離れていってしまうのか』と寂しいくらいだった」とハードな役柄ながら、並々ならぬ充実感を味わったという。
哲雄と間島は次第に多くの時間を一緒に過ごしていくようになるが、高橋が「蔵之介さんとは同じ関西人。『人見知りなんです。よろしくお願いします』と挨拶した」と回想すると、佐々木が「どんな挨拶やねん!」とツッコむなど、息ぴったり。さらに佐々木が「アクションは初めてだったんだよね。でもダンスをやっているからできる」と話を向けると、高橋は「ダンスが変に入っているからこそ、アクションシーンでターンのような回り方をしてしまう。その癖を取るのに時間がかかりました。拳銃を使うところでダンスターンが出てしまった」と華麗なアクションを繰りだしてしまったことを告白し、会場の笑いを誘っていた。また佐々木がどら焼き、高橋はフルーツ大福を現場に差し入れたというが、お互いの差し入れをおいしく食べることで、絆を深めたとも話していた。
ステージでは、映画の公開日が3月8日(金)となることが発表された。明かされたのは、佐々木が出演するという情報のみとあって、高橋は「僕も出たいです!恭一も映画に出させてください!」とお願いして、佐々木も大笑い。佐々木は「ドラマは全10話あります。その続きが映画になります。鳥栖哲雄の葛藤が映画のひとつのテーマになっています」と力強くアピールしていた。
取材・文/成田おり枝