第36回東京国際映画祭が開幕!稲垣吾郎、新垣結衣、亀梨和也らゴージャスな顔ぶれがレッドカーペットを闊歩
アジア最大級の映画の祭典、第36回東京国際映画祭(TIFF)が10月23日に開幕。映画祭の開幕を祝福をするレッドカーペットイベントが行われ、東京ミッドタウン日比谷の日比谷ステップ広場と日比谷仲通りに豪華な顔ぶれが集結。華やかな装いで、長さ165メートルに及ぶカーペットを闊歩した。
世界中から優れた映画が集まる東京国際映画祭。今年の「コンペティション」部門には、114の国と地域から1942本がエントリー。厳正な審査を経た15本が期間中に上映され、クロージングセレモニーで各賞が決定する。「コンペティション」部門の審査委員長は、『パリ、テキサス』(84)や『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(99)などで知られる巨匠ヴィム・ヴェンダース監督が務める。
レッドカーペットに、国内外から総勢205名のゲストが集まったこの日。イベントのトップを飾ったのは、クロージング作品でゴジラ生誕70周年を記念して製作される『ゴジラ-1.0』(11月3日公開)の山崎貴監督、神木隆之介、浜辺美波だ。「このチームでレッドカーペットを歩くことができて、とても光栄です」と喜んだ神木は、「画面いっぱいにゴジラの顔が出てきて、迫力満点。アトラクションのような感覚で楽しめる映画になっています」と映画をアピール。ステージを降壇する際には、レースをたっぷりとあしらったブラックドレスで登場した浜辺をエスコートする場面もあった。実は先日、歌舞伎町ゴジラロードで行われた同作のワールドプレミアレッドカーペットイベントでは、浜辺をエスコートし損なってしまった神木。今回はしっかりとリベンジを果たした形となり、2人でお茶目な笑顔を弾けさせていた。
オープニング作品となる『PERFECT DAYS』(12月22日公開)からは、ヴェンダース監督と役所広司、柄本時生、中野有紗、アオイヤマダ、麻生祐未、石川さゆり、田中泯、三浦友和といったゴージャスな面々がズラリと登場。ヴェンダース監督が東京・渋谷の公衆トイレ清掃員を題材に選び、役所がカンヌ国際映画祭で最優秀男優賞に輝いた本作。役所はヴェンダース監督らとニコニコとした笑顔でフォトセッションに応じていた。
国際映画祭の華ともいえる「コンペティション」部門に選出された『正欲』(11月10日公開)からは、稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香が出席。朝井リョウのベストセラー小説を映画化した本作は、稲垣と新垣が新境地を開いて、この世界で生き延びるために大切なものを提示する衝撃作。新垣は、肩から足元までビジューラインが輝く黒のパンツドレスをセレクトしていた。「このような華やかな映画の祭典、東京国際映画祭にお招きいただきまして誠にありがとうございます」と感謝した稲垣は、「出演者みんな、それぞれが覚悟を必要とした作品。それが報われる、すばらしい作品に仕上げていただきました」としみじみ。自身の役どころについて聞かれると、「僕は堅物な役なので、ずっと眉間にシワを寄せています。ちょっと嫌なやつに思われるかもしれません」と苦笑いを浮かべつつ、「皆さんいろいろな活躍をされていますが、初めて見せてくれるような表情もあります」と共演者陣の新たな挑戦を称えていた。
日本公開前の最新作をプレミア上映するガラ・セレクション部門に選出された『怪物の木こり』(12月1日公開)からは三池崇史監督、亀梨和也、菜々緒がお目見え。2019年の第17回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作を実写映画化した本作では、亀梨が目的のためには殺人すらいとわない冷血非情なサイコパス・二宮を演じた。カーペットには二宮と対決することになる怪物も斧を携えて駆けつけた。亀梨は、背中のざっくりと開いたドレスに身を包んだ菜々緒と腕を組んでステージに到着。
亀梨は「参加させていただき、非常に光栄に思っています」と感無量の面持ちを見せ、「映画を通じて、皆さんにとってステキな時間が流れることを心より祈っています」とメッセージ。「怪物さん、映画の撮影をしていた時より若干小さくなった印象です。ちょっと縮んでいます」と楽しそうに微笑みながら、「怪物さんは視界が悪いと思うので。(前が見えなかったら)言ってください、しっかりとエスコートします」と怪物を気遣っていた。
この1年の日本映画を対象に、特に海外に紹介されるべき日本映画という観点から選考された作品を上映する部門、Nippon Cinema Now部門作品に選出された『かぞく』(11月3日公開)からは、澤寛監督、吉沢亮、阿部進之介がカーペットを歩いた。澤監督は「俳優の皆さんの熱演が見どころ」と力強くコメント。小津安二郎の生誕120年を記念して、“世界のOZU”の原点である初期サイレント映画6作をリメイクしたTIFF シリーズ連続ドラマW「OZU ~小津安二郎が描いた物語~」第一話 『出来ごころ』に出演する田中圭は、「城定さんのかっこいいワンカットをぜひ観ていただきたいです」と城定秀夫監督の才能に感服していた。
フェスティバル・ナビゲーターを務める安藤桃⼦監督は、本年度の同映画祭のポスターで一緒に被写体となった父で俳優の奥田瑛二、ポスタービジュアル監修のコシノジュンコと共に登場。世界中から多彩な顔ぶれが集まり、個性豊かな作品群をアピールして大盛況となったこの日のレッドカーペットイベント。最後にはコンペティション部門の審査委員長を務めるヴィム・ヴェンダース監督が姿を現し、審査委員となるアルベルト・セラ、國實瑞惠、チャン・ティ・ビック・ゴック、チャオ・タオを一人ずつ紹介。BGMにノリノリとなりながらステージを降りるなど、最高のテンションで開幕を迎えていた。
第36回東京国際映画祭は、10月23日(月)~11月1日(水)まで、日比谷、有楽町、丸の内、銀座地区にて開催。改めて小津安二郎監督の作品に光を当てる小津安二郎生誕120年記念企画「SHOULDERS OF GIANTS」や、香港を代表する俳優のトニー・レオンが『2046』(04)上映後に行うマスタークラス、屋外上映会など、映画と人をつなぐあらゆる企画が予定されている。
取材・文/成田おり枝
※記事初出時、人名表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。