庵野秀明監督、山崎貴監督最新作『ゴジラ-1.0』の感想は?「本当によかった。これで『ゴジラ』は続くから大丈夫」と笑顔!

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庵野秀明監督、山崎貴監督最新作『ゴジラ-1.0』の感想は?「本当によかった。これで『ゴジラ』は続くから大丈夫」と笑顔!

ゴジラ-1.0』(11月3日公開)の公開を記念して行われている「山崎貴セレクション ゴジラ上映会」の最終回が10月27日に池袋HUMAXシネマズで開催され、山崎貴監督と庵野秀明監督が登壇。お互いへのツッコミを含むにぎやかなトークで、大いに会場を盛り上げた。

本作は1954年に初めて姿を現して以来、日本のみならず世界中を魅了し、衝撃を与え続けてきた怪獣「ゴジラ」の70周年記念作品であると共に、日本で製作された実写版ゴジラの30作品目という特別な節目の最新作。神木隆之介が敷島浩一役、浜辺美波が大石典子役で出演する。

息ぴったりのトークに会場は何度も大爆笑
息ぴったりのトークに会場は何度も大爆笑

全4回にわたり山崎監督が自ら厳選した「ゴジラ」過去作を上映し、各作品にゆかりのある人物を招いてトークショーを実施する特別イベントの最終回となったこの日。「ゴジラ」シリーズの前作にして興行収入82億円超の大ヒットを記録した『シン・ゴジラ』のモノクロ版、その名も『シン・ゴジラ:オルソ』が初上映され、さらにフィナーレを飾るゲストとなったのが、『シン・ゴジラ』(16)の脚本、編集、総監督を務め、今回のモノクロ版企画の提案者でもある庵野監督だ。

【写真を見る】MCも務めた庵野秀明監督。進行説明で台本を読んだ
【写真を見る】MCも務めた庵野秀明監督。進行説明で台本を読んだ

ゲストでありながら、ステージでは庵野監督がMCも務めた。イベントスタート時間になると庵野監督がおもむろに姿を現し、会場からも大きな拍手が上がった。「本日のMCを務めさせていただきます、庵野秀明です」と切りだしてさっそく爆笑を誘いつつ、「しばらく台本を読むんで」とイベントに中継が入っているという説明や、「録音、撮影は禁止」と注意事項までを読み上げ、「長いな」と台本にぼやく場面も。「じゃあ山崎くん、どうぞ」と呼び込まれた山崎監督は、「この上映会の最後に、ついに庵野さんを迎えられて非常に楽しみにして来ました」と笑顔を見せていた。

「東宝の宣伝部から、『山崎くんはいつも普段着で来るから、普段着で来てください』と言われた。騙された。ちゃんとスーツあるんですよ」とセーター姿の庵野監督が、ジャケットを着て来た山崎に愚痴をこぼす場面からトークはスタート。

山崎貴監督、庵野秀明監督の感想が気になる様子
山崎貴監督、庵野秀明監督の感想が気になる様子

「『シン・ゴジラ』好きなんですよ」という山崎監督は、「どんなのができるんだろうと思って観たら、まあおもしろくて」と惚れ込んだという。同作のVFXは山崎監督も所属する映像制作プロダクション「白組」が参加していたが、「庵野さんに『白組がいい仕事をしていたので、誇らしかったです』と言ったら、庵野さんは『だいぶ鍛えましたから』と言っていて」と同作の完成試写会での会話を暴露して、会場も大爆笑。庵野監督は「かなり鍛えた」と笑顔で認めた。白組には調布チームと三軒茶屋チームがあるそうで、山崎監督は「三茶はどうなっちゃうんだろうと思ったら、ボロボロに疲弊していた」と振り返りつつ、「でも全部終わった時に、庵野さんが『本当にありがとうございました!』とみんなに言ったらしいんです。それでみんなキュンとなっちゃって。『庵野さん、いい人かもしれない』って」と庵野監督が一気にチームの心をつかんだと続けると、庵野監督は「基本いい人なんですよ」とニンマリとしていた。

お互いへの リスペクトのにじむトークだった
お互いへの リスペクトのにじむトークだった

そして『ゴジラ-1.0』への道のりを回想した山崎監督は、「『シン・ゴジラ』は本当にすばらしかった。『すごいな。三茶のチームをよくここまで奮い立たせて、すごいものを作ったな』と思っていたら、東宝さんから『そろそろ、次の『ゴジラ』どうですか』と言われて。『シン・ゴジラ』のあとかよ!と思って」と相当なプレッシャーがあった様子だ。庵野監督は「よくやったよね」と目尻を下げて、観客も爆笑。山崎監督が「撮影の途中に、庵野さんが陣中見舞いに来てくれた。その時に『本当によくやるよね』と言われた。『シン・ゴジラ』の後にはぺんぺん草も生えない。誰もやらないですよ。相当なバカヤロウじゃないとやらない」と覚悟して挑んだことを明かすと、庵野監督は「さすが山崎くん」と引き受けた山崎監督に笑顔を見せ、「よくできていた。本当によかった。これで『ゴジラ』は続くから大丈夫だよ」と『ゴジラ-1.0』の出来栄えを称えた。

すると庵野監督の感想が気になっていた山崎監督が「そもそもどうなんですか!」とうずうずする気持ちを抑えられなくなったように質問し始めたが、庵野監督は「いろいろツッコミどころは満載なんですよ」と素直に回答。山崎監督が「うるさいよ!」と食い気味にツッコむと、会場も拍手をしながら大笑いだ。庵野監督は「それはもう全部横に置いておいて」と前置きして、「おもしろいです。特に銀座!銀座を見てください。銀座、すばらしいです。あと後半に僕は、すごく好きなところがあって。キュンとくる」とネタバレを気にしながら熱弁し、「山崎くんを応援しなければいけない。これは多分大丈夫だと思うけど、大儲けしてくれないと次につながらない」と「ゴジラ」愛を語る。山崎監督は「『ゴジラ』はちゃんとヒットしないと…。『シン・ゴジラ』のあと。ヒットしなければいけない」とまたプレッシャーが顔をのぞかせていたが、庵野監督は「これはおそらく大丈夫」と太鼓判を押していた。

「山崎貴セレクション ゴジラ上映会」のトークショーが開催された
「山崎貴セレクション ゴジラ上映会」のトークショーが開催された

『ゴジラ-1.0』について「褒めてばかり」と庵野監督が語ると、山崎監督は「もうちょい」とおねだりする場面もあり、山崎監督は「あそことか多分、好きだろうなと思った」と庵野監督が好みそうなシーンを思い浮かべようとしていたが、庵野監督は「僕の好みは、山崎くんには伝わらない。ものすごい狭いところ。そこなの!?と思うようなところが好き」だという。


山崎監督は「それを聞くのが楽しみだな。軍艦とか作っている時に、『ちょっと庵野さん、悔しがるんじゃないかな』と思った」とニヤリとすると、庵野監督は「その辺はね、ぬるい」とバッサリ。観客や山崎監督も大笑いとなったが、とはいえ庵野監督は「山崎くんがいままでやっていた、いろいろな映画の集大成。上手だなと思った」と絶賛を続け、山崎監督が「いままでこのためにやってきたような」、さらに庵野監督が「そう言っても過言ではないくらい。いままでの培った技術が無駄なく、全部集約されている。その技術力はすばらしい」と応えるなど、お互いにリスペクトをにじませながらトーク。山崎監督は「『シン・ゴジラ』でいい仕事をした人を、連れて来ちゃった。庵野さんに鍛えられた人にお願いした」と告白し、庵野監督は「ちゃんとバトンを渡しましたね」と技術の継承を喜んでいた。

取材・文/成田おり枝

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