「ビックリメン」が放送中の「ビックリマン」アニメ、こんなに作られてたって知ってる?

コラム

「ビックリメン」が放送中の「ビックリマン」アニメ、こんなに作られてたって知ってる?

昭和から現代に至るまで変わらぬ人気を誇るロッテのチョコレート銘菓ビックリマン。このお菓子といえば、現在放送中のアニメ「ビックリメン」でも描かれているように、個性豊かなおまけシールが人気を博し、多くのコレクターを生みだしてきた。

今回のアニメではシールコレクターたちによる抗争というメタな物語が語られているが、過去には「悪魔VS天使」シリーズをはじめとする魅力的なシールの世界観がそのままアニメ化されてきたので、それらを紹介していく。

「ビックリマン」(1987〜1989年)

【写真を見る】「ビックリマン」のアニメこんなにあるって知ってた?(「ビックリマン DVD-COLLECTION VOL.2<完>[DVD]」)
【写真を見る】「ビックリマン」のアニメこんなにあるって知ってた?(「ビックリマン DVD-COLLECTION VOL.2<完>[DVD]」)価格:1万8000円(税抜) 発売元:東映アニメーション株式会社・東映ビデオ株式会社 販売元:東映株式会社 [c]LOTTE・NAS・東映アニメーション

1977年に発売開始されると、1985年からの「悪魔VS天使」シリーズが子どもたちの間で一大ブームとなったビックリマンチョコレート。その爆発的なヒットを受けて制作されたのが、1987年のアニメ1作目となる「ビックリマン」だ。

「悪魔VS天使」シリーズの世界観を盛り込んだ本作。天聖界では天使とお守りが暮らしていたが、天魔界から襲来した悪魔により平和が脅かされつつあった。こうした現状を目のあたりにした聖フェニックスは、新たな世界である”次界”への旅立ちを決意。ヤマト王子をはじめとする若神子たちが聖フェニックスの下に集結する一方、悪魔たちも彼らの次界行きを阻止するために様々な奸計をめぐらせ…という物語が展開していく。

奇想天外な世界を舞台に繰り広げられる天使と悪魔のコミカルなバトル、次界への長い道のりで待ち受ける珍事件の数々などファンタジックな世界観をわかりやすくビジュアル化した本作。アクションのおもしろさ、捻りの効いた美術によるスぺクタクル感、そして「ビックリマン」最大の魅力であるキャラクターを丹念に描き込むことで、独特の世界観を引きだすことに成功。好評を博し、当初の予定よりも延長して放送されると『ビックリマン 第一次聖魔大戦』(88)などの劇場版も作られた。

「新ビックリマン」(1989〜1990年)

攻めた話も盛り込まれた「新ビックリマン」(「新ビックリマン DVD-COLLECTION VOL.1 [DVD]」)
攻めた話も盛り込まれた「新ビックリマン」(「新ビックリマン DVD-COLLECTION VOL.1 [DVD]」)価格:1万6000円(税抜) 発売元:東映アニメーション株式会社・東映ビデオ株式会社 販売元:東映株式会社 [c]LOTTE・NAS・東映アニメーション

さらに「ビックリマン」の続編として制作された「新ビックリマン」もまた「悪魔VS天使」シリーズが原作。前作での次界をめぐる天使と悪魔の争いが聖魔和合によって終息したあと、聖魔の争いが遠い昔の出来事となった時代が舞台となっている。

お守りのピア・マルコはひょんなことから時間を管理する”時の塔”へ迷い込むと、宝を探して塔に忍び込んだ悪魔のディオ・コッキー、時の塔を守護する天使のベリー・オズと共に、近い未来、次界が滅亡すると過去から現れた老スーパーゼウスに伝えられる。この危機を救うべく、マルコたちは、謎の少女プッチーと共に次界を救うといわれる聖宝石を探す旅に出発する。

従来の“天使・悪魔・お守り”の3すくみに加えて、天使と悪魔の和合によって誕生した“次代”と呼ばれる概念も登場するなど、シールの要素、展開がしっかりと盛り込まれる一方で、“学園編”というのほほんとしたオリジナルストーリーも語られた本作。前作同様に平均視聴率14.1%というヒットを記録した。

「スーパービックリマン」(1992〜1993年)

前作の終了から2年近くを経て作られたのが「スーパービックリマン」だ。タイトルと同じシールの「スーパービックリマン」シリーズを題材とした本作は、いままでのアニメとは一線を画す世紀末SFの世界観となり、ハードなストーリー展開やアクションの完成度の高さが特徴だ。

天使と悪魔の戦いが再び始まると、悪魔の侵攻により、天聖界を追われ、お守りが住む天地球へと逃れた天使たち。その首都・テラサピエンスも悪魔の攻撃により破壊されるなか、天使の少年フェニックスは、巨魔界神ザイクロイド・アノドを復活させて世界を変えようと企む悪魔たちに対抗。仲間と共にアノド復活の鍵となる石版を集めていく。

これまで何度も描かれてきた天使と悪魔との戦いがどのような方向へと向かっていくのか?本作での衝撃的な結末は必見だ。

「ビックリマン2000」(1999〜2001年)


それから約6年後に作られたのが、ビックリマンシール14代目「ビックリマン2000」シリーズを原作とする同名アニメ「ビックリマン2000」。本作ではアニメで登場したキャラクターがのちにシールになるなど、アニメとシールが密なつながりを持った1作だった。

ストーリーは、天使属と悪魔属が共に暮らす平和な時代に混沌が訪れ、悪魔たちは暴徒化、天使たちは姿を消すという世界崩壊の危機が訪れる。そんな危機のなか、天使の少年たちが世界を救うべく奮闘するというものだった。

「祝(ハピ☆ラキ)! ビックリマン」(2006〜2007年)

過去作ファンへのサービスカットも多い(「【祝(ハピ★ラキ)!ビックリマン VOL.1】」)
過去作ファンへのサービスカットも多い(「【祝(ハピ★ラキ)!ビックリマン VOL.1】」)価格:5800円(税抜) 発売元:東映アニメーション株式会社・東映ビデオ株式会社 販売元:東映株式会社[c]LAD・NAS・テレビ朝日・東映アニメーション

シールの「ひかり伝」を原作とするのが、2006〜07年にかけて放送された「祝(ハピ☆ラキ)! ビックリマン」だ。「ひかり伝」は過去シリーズよりも遡った時代を題材としており、おなじみのキャラクターのルーツなどが明かされていくというもの。アニメにもその特徴が反映されている。

なにもない空間に一筋の光が差し込み、真白域と真黒域が誕生し、その真ん中には”まとば”と呼ばれる摩訶不思議な世界ができた。まとばで生きるゲンキとジェロは、ある日、七つの光が降り注ぐのを見ると、その後、未来からやってきたヤマト王子、十字架天使と遭遇。彼らと共に七人の若神子の結集と真白域への到達を目的に旅を始める。

ビックリマンシリーズ誕生の秘密に迫る本作では、初代「ビックリマン」の人気キャラクターたちがメインキャラとして登場。懐かしい演出やサービスカットも盛り込まれるなど旧作ファンにとってはうれしい1作だった。

個性豊かな世界が広がる「ビックリマン」。現在放送中の最新アニメに加え、今回紹介したこれらの過去作もチェックしてみてはいかがだろうか?

文/サンクレイオ翼