LiLiCoが『北極百貨店のコンシェルジュさん』で感じた”コンシェルジュ”冥利。夫への驚きの贈りものエピソードとは?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
LiLiCoが『北極百貨店のコンシェルジュさん』で感じた”コンシェルジュ”冥利。夫への驚きの贈りものエピソードとは?

インタビュー

LiLiCoが『北極百貨店のコンシェルジュさん』で感じた”コンシェルジュ”冥利。夫への驚きの贈りものエピソードとは?

第25回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞に輝いた西村ツチカの同名原作を、Production I.G.制作でアニメーション映画化した『北極百貨店のコンシェルジュさん』(公開中)。来店するお客様がすべて動物という不思議な百貨店「北極百貨店」を舞台に、そこで働き始めた新人コンシェルジュの秋乃(声:川井田夏海)の奮闘を描く、愛らしいファンタジー作品に仕上がっている。

そんな本作の応援アンバサダーを務めているのは、映画コメンテーターとして情報番組「王様のブランチ」など数多くのメディアに引っ張りだこのLiLiCo。世界的大ヒットを記録した『バービー』(23)の人魚バービー役で日本語吹替版にも参加するなど、声優や女優としても活躍するLiLiCoに、「北極百貨店」に来店する個性豊かなキャラクターの魅力から、驚きの“贈り物”エピソードまでたっぷりと語ってもらった。

「70分の作品に多くのメッセージを込めた手腕、天才かよ!」

――今回、本作の応援アンバサダーを務めることになった経緯からお聞かせください。

「実は、本作をまだ鑑賞していない時に『応援アンバサダーをやってもらえませんか?』というお話をいただきました。だから、『こんなに可愛らしい映画のアンバサダーは絶対私じゃないでしょ!?』って最初は思いましたね(笑)。いつもは筋肉ムキムキのイケメンが出てくる映画とか、女性が主人公のヒーロー映画とかドロドロした大人向けの映画とかでお話が来るので、『なんで私に声がかかったのかな?』と不思議に思いながら作品を拝見しました。

『北極百貨店のコンシェルジュさん』の応援アンバサダーを務めたLiLiCoにインタビュー!
『北極百貨店のコンシェルジュさん』の応援アンバサダーを務めたLiLiCoにインタビュー!

そうしたら、“仕事”とは人に支えられたり失敗しながら成長していったりするという、すべて“生きる”ことに通じていると教えてくれる映画だと気が付きました。私はよくトークショーに呼ばれると、“生きる”というテーマの話をするんです。困難なことがあっても生きていかなきゃいけない。努力も必要だけど、失敗した時にはどうやってそれを解決していくかが大切なんだよと。そういうメッセージを届けるために私に声を掛けてくださったのだと理解して、アンバサダーをお引き受けすることにしました」

――具体的に本作のどのような点に“生きる”というテーマを感じ、惹きつけられたのでしょうか?

「上映時間が70分少々しかないのに、心のなかでずっと生き続けるような大事なメッセージが込められていることですね。主人公の秋乃をはじめ、北極百貨店で働くコンシェルジュの皆さんは、お客様のニーズに応えようと奮闘していきます。『この人はなにを求めているのかな?』と常に考え、相談事があれば支えてあげる。自分自身も弱いところを見せていいし、お互いに支え合っていく。いろんな壁にぶつかっても前に進んでいるというのがわかる映画で、それは大人にも子どもにも大切なことだと感じました。

「北極百貨店」で日々奮闘する新米コンシェルジュの秋乃
「北極百貨店」で日々奮闘する新米コンシェルジュの秋乃[c]2023⻄村ツチカ/⼩学館/「北極百貨店のコンシェルジュさん」製作委員会

もう一つ、秋乃が上司にちくりと言われている姿になんだかズキっと来るリアリティと、動物がお客様で働いているのが人間という、ファンタジーの設定が重なっていることがとてもユニークですよね。動物はみんなそれぞれまったく違っていて、それがおもしろくて可愛くて、“個性”というものがすばらしいのだと表現されています。いまは多様性の時代と言われていますが、まだ人間の世界では肌の色がちょっと違うだけで差別が生まれてしまう。『みんな違うんだよ』と『みんな違っていいんだよ』という両方のメッセージをこの映画から感じたので、小学校とかで大勢で観て、『人に合わせるのも大事だけど、その人の個性を尊重することも大事なんだよ』とクラスで話し合うのにぴったりな題材ではないでしょうか」

――先日行われた完成披露試写会では、LiLiCoさんが板津匡覧監督を「天才かよ!」と褒めちぎっていたことが印象的でした。

「だって長編映画デビュー作で、こんな作品を作ることができる監督はなかなかいませんよ!監督さんたちはやっぱりデビュー作となると、自分の好きなものをたくさん詰め込みたいと思ってしまうものです。板津監督も本作にご自身の好きなものをたっぷり入れていると思いますが、その全部が様々な年代の観客たちにまっすぐ届くものになっています。

70分と短い上映時間に魅力がたっぷり詰まっている
70分と短い上映時間に魅力がたっぷり詰まっている[c]2023⻄村ツチカ/⼩学館/「北極百貨店のコンシェルジュさん」製作委員会


あと動物のキャラクターがしゃべった時に、『あ、これはあの人の声だ!』となってしまうのはちょっと違うじゃないですか。もちろん、この声優さんがやっているからすばらしいというのもありますけど、アニメだからやっぱり声優さんたちの顔が見えないほうがいい。それをわかっているようなキャスティングのセンスも感じましたし、なにより70分くらいの作品にもっと長い映画よりも多くのメッセージを込めた手腕。そういうことを全部含めて『天才かよ!』という言葉を贈りました」

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