前澤友作、宇宙服の着心地でZOZOスーツを思い出す!映画『僕が宇宙に行った理由』完成披露イベントで笑顔
日本の民間人として初めて宇宙旅行を成し遂げた実業家の前澤友作に密着したドキュメンタリー映画『僕が宇宙に行った理由』(12月29日公開)の完成披露上映会が11月27日、TOHOシネマズ日本橋にて行われ、前澤と本作の監督を務めた平野陽三が登壇し、映画の見どころや宇宙旅行の感想などを語った。
訓練時に着用していた通称フライトスーツ姿で登場した前澤は「自分のことが映画になるなんて嬉しいような恥ずかしいような…」と照れ笑い。フライトスーツは当時使用したままで保管していたことを明かし、「洗うのがもったいなくて(笑)。久しぶりに出したら汗臭かったです」と話し、観客を笑わせた。宇宙旅行に同行した平野監督も同じくフライトスーツを身につけて登壇するはずだったが、太ってしまったこと、そして2人が並ぶとコントのように見えてしまうため、ノーマルなスーツに着替えたと報告し笑いを誘っていた。
当初、映像は記録用として撮影していたもので、映画にするつもりはなかったという。「ホームビデオ感覚でした」と微笑んだ前澤は「僕の夢は宇宙に行くこと、そして彼の夢は映画を撮ること。僕の夢が叶うと同時に彼の夢も叶えたら面白いんじゃない?ということで映画になりました。いい加減な感じに聞こえるかもしれないけれど、(映画を)作ると決まってからは、心を決めて作りました」と真剣な表情で本作誕生の経緯を説明。平野監督は「最終的にはいいものができたと思っています。ロケ地が宇宙の作品はフィクションが多いけれど、生の映像が使えたのは嬉しいことです」と貴重な体験を振り返り満面の笑みを浮かべていた。
前澤と平野監督の夢が同時に叶った作品は自身にとってどのような作品になったのかという質問に「もう2年くらい経っているから(僕のなかでは)古くなっちゃっています(笑)。(帰還後から)どんどん新しいことにも挑戦しているから、卒業アルバムを見ているような感覚。嬉しいような、恥ずかしいような気持ちです」とニッコリ。「二度と映画を作ることはないと思います!」と断言しながらも「でも、宇宙にはもう1回行く予定なので、分からないです。もし、2作目があったらよろしくお願いいたします」とも話し、大きな拍手を浴びていた。平野監督は「2人の小さい頃からの夢を体現できた作品です。夢を叶える、なにかに挑戦するということを身をもって体験させてもらったことへの感謝の気持ちの方が大きいです」と充実感を漂わせ、約6か月におよぶトレーニングを遂行する前澤の姿に「根性がある。どこまで行ってもゼロからイチを生み出す、やり切る力を見せてもらいました」と感心の様子。前澤は「意外とやる時はやります。一度も挫けることはありませんでした」と力強く語っていた。
宇宙旅行での発見は、発射の瞬間だったそう。「静かだな、揺れないなって。新幹線の発車の時のように気づいたら動いている、あんな感じです。いままで宇宙映画で観ていた(揺れる)印象とは違っていました」と報告し、「ぜひ、機会があったらみなさんも行ってみてください!」とおすすめする場面もあった。宇宙服の着心地について「最初に袖を通した時はZOZOスーツを思い出しました(笑)。フィットするってこういうことなのかって思いました」と快適だったと話したが、歩きにくさ感じていた様子。その理由については「宇宙服は宇宙船のなかにいる時にしか着ません。歩くように設計されていないから、劇中のような歩き方になります」と劇中のシーンを再現しながら解説した。
最後の挨拶で前澤は「映画を観たみなさんの気持ちが少しでも動かされていたらいいなと思います。自分ごとで恥ずかしいけれど、夢を持って諦めずにやっているといつか形になるという思いで作った映画です。そんな部分が伝わったらいいなと思っています」と呼びかけ、「宇宙から見た地球は本当に綺麗です。国境はありません。(この綺麗な地球を)みんなで一緒に守って行けたらと思っています」と自身の思いも伝え、イベントを締めくくった。
取材・文/タナカシノブ