ティモシー・シャラメ、『ウォンカ』で共演のヒュー・グラントへのリスペクトを明かす「僕の友達は、僕の作品よりヒューの作品が好き」
「僕の子どもたちはいまもウンパルンパの曲を歌い続けてる」(グラント)
――ウォンカと、ウンパルンパの共演シーンは、どのように撮影されたのですか?
グラント「ウンパルンパにはモーション・キャプチャーが使われたので、僕はいくつものカメラが付いたヘルメットを被ります。モーション・キャプチャーの場合、別の場所で別撮りするのが基本ですが、今回は相手とのケミストリーを作るため、キャプチャーの機材がセットに持ち込まれました。一緒にリハーサルをしたあと、僕だけ小さなテントの中に入って演技をするわけです。かなりうまくいったと思います」
シャラメ「ヒューの演技をモニターで見ることができたので、次のテイクでどうリアクションすればいいか、僕もすぐに準備ができました。もし別撮りだったら、想像しながら演技をしなければならなかったでしょう」
――映像で自分のウンパルンパの姿を見て、どう感じましたか?
ヒュー「最初に仮のイメージを見せてもらい、『こんな姿であれば僕を嫌いな人にも愛されるはず』と思いました(笑)」
――キング監督はロアルド・ダールの原作を読んだ時、ウンパルンパがあなた(グラント)の声で聴こえてきたと言っていました。ご自身もウンパルンパに合っていると思いますか?
グラント「もちろん僕もぴったりだと自覚しています。ウンパルンパは感傷的なことが嫌いで、自分をすばらしい人間だと思っている。一方で悲劇的な面もあるところが、僕に似ているんじゃない?」
――本作にはミュージカルシーンがたっぷり盛り込まれています。
シャラメ「僕は高校時代に少しだけミュージカルを学びましたが、映画では初めてで大きなチャレンジになりました。歌とダンスだけではなく繊細な演技もして、さらにカメラに対して(画面内の)位置を守らなくてはならないんです。舞台のミュージカルだったら、ステージ上を自由に動き回れるんですけど」
グラント「(ウンパルンパの曲が)悪夢のように頭の中に流れています。僕の子どもたちはいまも歌い続けてるし(笑)」
――歌とダンスのトレーニングにはどれくらい時間をかけたのですか?
シャラメ「振付師のクリス・ガテリと2か月半、ニューヨークとロンドンでダンスのトレーニングをしました。音楽スーパーバイザーのジェームス・テイラーとは、やはり2か月半くらい今回の曲を練習しました。さらにボーカルコーチのエリック・ヴェトロと、今回のウォンカ役の声の出し方を作り上げたんです。次(の作品)のボブ・ディラン役でもエリックから指導を受けます。ボブ・ディランとウォンカは、歌うという共通点はあっても、本質がまったく逆のキャラクターですから」
グラント「ボブ・ディランは生で見たことあるの?」
シャラメ「はい、ブルックリンのコンサートに行きました。アメリカのコンサートではスマートフォンで撮るのがけっこう自由ですが、ボブ・ディランの場合はスマートフォンをしまわなくてはいけなくて、そこが新鮮で、音楽に集中できました」
――1曲のなかで衣装が次々と変わるシーンもありますね。
シャラメ「あのシーンはいろいろな場所に移動するので、僕のお気に入りの一つです。当初はメインのシーンではなかったけど、結果的に大きな見せ場になりました。路面電車やバーバーショップ、カフェなどは衣装を変えて撮り、メインの広場のカットはロンドンのリーブスデン・スタジオに信じられないスケールのセットが作られたんです。周りにはチョコレートショップや教会があって、まるで夢の国に迷い込んだようでした」