ティモシー・シャラメ、『ウォンカ』で共演のヒュー・グラントへのリスペクトを明かす「僕の友達は、僕の作品よりヒューの作品が好き」
「僕の友達は、僕の作品よりヒューの作品が好きだと言っている」(シャラメ)
――大量のチョコレートが登場しますが、実際にたくさん食べたのですか?
シャラメ「ショコラティエの方たちが絶品のチョコレートを用意してくれたので、いっぱい食べました。特に“ひとすじの光”という稲妻のマークのチョコが最高でしたよ」
グラント「そのせいでティモシーの体重が増えて、映画もワイドスクリーンになったんじゃない?ほっそり見えるようにCGで加工されてるんだよね(笑)。僕はチョコレートを1個ももらえなかった。まあ高級なチョコはあまり好きじゃないから…。カカオの分量が少ない安いチョコがいいよ」
――共演者としてのお互いへの想いを聞かせてください。
グラント「ティモシーはキャリアがまさにノンストップの右肩上がり。一方で僕はいまや右肩“下がり”の状態。美しいシンメトリーを作っているよね(笑)」
シャラメ「いや、僕の友達は、僕の作品よりヒューの作品が好きだと言ってますよ。僕も『モーリス』から『ノッティングヒルの恋人』『ラブ・アクチュアリー』、そして『パディントン2』まで長年のファンなので、心からリスペクトしています」
――キング監督は観る人の心を温かくする作品が得意です。
シャラメ「監督は撮影現場にお嬢さんを連れてきて、チョコレートの泉などを見せていたのですが、その光景を横で見ながら、温かい人柄を実感しました。映画のトーンと性格は同じですね」
グラント「僕がポールの才能を感じたのは、本作に(『オリバー・ツイスト』『クリスマス・キャロル』で知られる)チャールズ・ディケンズの要素を取り込んだ点です。ウォンカたちが恐ろしい運命に巻き込まれる一方で、大人たちが冷酷な仕打ちもする構図は、人間の負の面もえぐるロアルド・ダールに、ハートフルなディケンズの世界を重ねたかのよう。砂糖と塩を絶妙にブレンドした、うまい設定だと思います」
――そして最終的に本作は夢を見ることの大切さを教えてくれます。
シャラメ「この映画のウォンカを見てもらえばわかりますが、誰かに『NO』と言われてもそれを受け入れないことが大切です。そのためには夢を諦めず、足を止めず、自分を支えてくれる仲間を作ればいいのです」
グラント「そうそう、仲間は大事。でも年齢を重ねると、周りの友達は僕の失敗を喜ぶようになったけど(笑)」
――では最後に、本作の続編への期待を聞かせてください。
シャラメ「正当な続編が作られるなら、ぜひやらせてもらいます」
グラント「ウンパルンバの起源を描く前日談なんておもしろいんじゃない?」
シャラメ「たしかにそっちも観てみたい(笑)!」
取材・文/斉藤博昭