『カラオケ行こ!』歌下手なヤクザ役の綾野剛、X JAPANの「紅」熱唱は「ほぼほぼ一発で勝負」
和山やまの人気マンガを実写映画化した『カラオケ行こ!』(2024年1月12日公開)の完成披露試写会が12月4日、都内映画館で実施され、主演の綾野剛、共演の齋藤潤、芳根京子、やべきょうすけ、チャンス大城、八木美樹、後聖人、北村一輝、そして山下敦弘監督が参加した。
絶対に歌が上手くならなければならないヤクザの成田狂児を演じた綾野。劇中ではX JAPANの「紅」を裏声で熱唱するが「ほぼほぼ一発で勝負していきました」と明かし「狂児は『紅』を練習していない。していないというか『紅』が人生の一部になっているから。簡単に言えば、信号の赤も狂児にとっては紅色」とその理由を説明。そして「狂児は裏声が気持ち悪いという設定なので、全編裏声で歌っております」と聴きどころに挙げていた。
思春期の悩める合唱部部長の中学生、岡聡実を演じた齋藤はオーディションを勝ち抜いて大役を掴んだ。「お芝居の経験が少ない中でこの作品と出会い、芝居やそれ以外でも学ばせてもらうことが毎日あった。しかも撮影をしていた1年前が変声期でもあったので、リアルな等身大が映っていると思う」と手応えを口にしていた。
また齋藤は、綾野、やべ、北村らが扮したヤクザに囲まれての撮影について「本当にヤクザだなと思いながらビビっていたけれど、カメラが回っていないときは優しく接してくれて、笑わせてもらった。現場の空気を和ませてくれました」と先輩陣の優しさに感謝。組長役の北村は「みんな猛獣。これをまとめる監督って凄いなと思った」と笑わせた。
一方、イリオモテヤマネコの顔をしながらフクロウの声真似をした後に「この映画、ホンマ面白いです」とアピールしたチャンス大城は「僕はエンヤが大好きなので衣装合わせの際に一節歌ったら、そっちではないと監督から言われた」とションボリ。撮影では「一発かましたろ」と意気込んだというも「開始15秒でちゃんとしなければと思った」と緊張していた。
主演の綾野は、本作について「初めて青春映画に関われた」などと喜びながら「潤君演じる岡聡実の青春の一片を魅力的に描いていく、そんな想いが集結した現場だった。自分もその一片になれたのが嬉しかった。狂児は恐ろしいほどの情念を持って『紅』を歌うけれど、これっぽっちもお遊びなしで向き合っていることだけはご理解いただきたい」とアピールしていた。
取材・文/石井隼人