『ゴジラ-1.0』が北米に上陸!週末3日間興収1000万ドル超えの好スタートで、実写日本映画の新記録を樹立

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『ゴジラ-1.0』が北米に上陸!週末3日間興収1000万ドル超えの好スタートで、実写日本映画の新記録を樹立

先週末(12月1日から3日)の北米興収ランキングは、ビヨンセの最新ツアー「ルネッサンス」のステージやバックステージ、制作過程などを追った『Renaissance: A Film by Beyonce』 (12月21日日本公開)が初登場でナンバーワンを獲得した。

1位スタートを飾ったのは、ビヨンセ自ら監督を務めた『Renaissance: A Film by Beyonce』
1位スタートを飾ったのは、ビヨンセ自ら監督を務めた『Renaissance: A Film by Beyonce』[c] 2023 PARKWOOD ENTERTAINMENT

つい先日もテイラー・スウィフトのコンサートツアーを記録した『テイラー・スウィフト: THE ERAS TOUR』(23)が記録的なヒットとなり、今年2月にはBTSの『BTS: Yet to Come in Cinemas』(23)が好評を博すなど、急激に注目度が増しているコンサートフィルム。2539館で封切られた『Renaissance: A Film by Beyonce』の初日から3日間での興収は2180万ドルで、これは同ジャンルの作品として歴代5位の好成績。今後もこうした人気アーティストのライブを映画館で体験する機会は増えていくことだろう。

【写真を見る】海外での「ゴジラ」人気を証明!現地批評家&観客からも高評価を獲得
【写真を見る】海外での「ゴジラ」人気を証明!現地批評家&観客からも高評価を獲得[c]2023 TOHO CO., LTD.

さて今回メインで取り上げるべきは、ついに北米公開を迎えた『ゴジラ-1.0』(日本公開中)の話題だ。『ハンガー・ゲーム0』(12月22日日本公開)に次ぐ3位にランクインを果たした同作は2308館で公開され、初日から3日間の興行収入は1141万ドル。これは歴代の「ゴジラ」シリーズで北米最高成績を収めていた『ゴジラ 2000 MILLENNIUM』(99)の興収1003万ドルをたった3日で上回る圧倒的なものであり、今年北米で公開された非英語作品としてナンバーワンのオープニングとなる。

また、これまで北米における日本の実写映画最高興収記録は、“ムツゴロウさん”こと畑正憲が監督を務めた『子猫物語』(86)の1329万ドル(1989年と1990年の2度にわたって公開され、その累計での成績となる)。『ゴジラ-1.0』は公開5日目にその数字を上回ることに成功しただけでなく、平日に入ってからは月曜日と水曜日にデイリー興収ランキングで1位を獲得するなど勢いを増している。すでに2500館以上への拡大公開も決定しており、今後の伸びが期待できそう。

例年では閑散期となる週末の、大きな起爆剤となった
例年では閑散期となる週末の、大きな起爆剤となった[c]2023 TOHO CO., LTD.

現地での作品評価も上々で、批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば批評家からの好意的評価の割合は97%、観客からの好意的評価の割合は98%とすこぶる高い。かねてから海外でも「ゴジラ」人気が高いと言われていたとはいえ、このように数字としてそれが証明されたこと、そしてなによりも日本の実写娯楽映画がハリウッドの作品と対等に戦えていることは日本映画にとって非常に大きな出来事といえるだろう。


ちなみにこの『Renaissance: A Film by Beyonce』と『ゴジラ-1.0』の効果もあり、例年では前週比6割程度の興収で閑散週末になりがちな“ポスト・サンクスギビング”だが、今年は前週対比8割以上の興収をキープ(感謝祭週末が大きく盛り上がらなかったのも一因ではあるが)。しかも、総興収は9711万ドルと、コロナ禍前の2019年を上回る数字を記録している。この流れで、12月8日からは宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』(日本公開中)も北米公開がスタート。北米映画界が最も盛り上がる年末にかけて、日本映画が存在感を示すというのはうれしい限りだ。


文/久保田 和馬

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