山崎賢人、『ゴールデンカムイ』で“不死身の杉元”役にハマるため「体重を10キロ増やした」と全身全霊!
累計発行部数2600万部を突破する大人気コミックを実写映画化する『ゴールデンカムイ』(2024年1月19日公開)の完成報告会が12月20日にマンダリンオリエンタル東京で開催され、山崎賢人、山田杏奈、矢本悠馬、工藤阿須加、栁俊太郎、大谷亮平、玉木宏、久保茂昭監督、松橋真三プロデューサーが登壇。“不死身の杉元”と呼ばれる元陸軍兵の主人公を演じる山崎が、「生命力の強い、心優しい男を演じられてうれしいです」と役柄に愛情を傾けつつ、喜びをかみ締めた。
野田サトルによるコミックを実写映画化した本作。明治末期の北海道を舞台に、莫大なアイヌの埋蔵金をめぐって、一癖も二癖もある魅力的なキャラクターたちが死闘を繰り広げる姿を描く。監督を務めるのは、「HiGH&LOW」シリーズで迫力の肉弾戦バトルアクションの演出を見せた久保茂昭。「原作の大、大、大ファン」という久保監督は、「フィギュアも全部持っているくらいのオタクです。本当に光栄で、すべてにこだわって撮っています」と並々ならぬ熱意を明かしながら、「皆さん、すばらしいキャラを演じてくださった」と北の大地で過酷な撮影に臨んだキャストに感謝を述べた。
会場には原作者の野田から「今回の映画には、私の頭のなかにもなかったよいところがたくさんありました。特に役者さん方はかっこよくて、渋くて、かわいくて、キャラクターに合っていて、漫画とはまた違った生身の魅力があふれていました」と実写映画を称えるコメントが寄せられた。現場へ見学に訪れた、原作者の野田と対面できたという山崎は「『いろいろと言われたりすることもあると思うんだけど、僕は味方です』と言っていただいた。すごく安心したし、背中を押された」と野田からの言葉を振り返り、しみじみ。「みんなが原作をリスペクトして、愛を持ってやっている。すごいです。みんな役にぴったりです」と個性的キャラを演じきった共演者陣に敬意を表した。
松橋プロデューサーは「野田先生とお話しすることができた。『山崎さんは、杉元と本質的に似ているところがあると思うんですよね』とおっしゃていた」と野田との会話を紹介しながら、「私が思うに、かっこよくて強いというだけではなく、心根や人間の本質がとても優しくて、器が広くて、多くのことを語らずに行動で示すというところが、(現場に訪れた野田先生が)ご覧になっていて直感的にそう思ったんじゃないかと推測しています」と山崎と杉元の共通点について語る。山崎は「うれしいです」と目尻を下げていた。
山崎が演じたのは、“不死身の杉元”と呼ばれ、並々ならぬ生命力をみなぎらせる元陸軍兵の杉元。役作りに話が及ぶと、山崎は「過去の幼なじみとのシーンから撮影をさせていただいて、戦争に行く前の杉元から丁寧に作っていくことができた。男としての強さはあるけれど、心優しい部分を撮影してから、二百三高地のシーンを撮影した」と過去編から戦場シーン、金塊探しという順番で撮影ができたというが、戦場シーンはワンカット長回しでの撮影にトライしたとのこと。「人間として忘れてしまった部分や傷ついた部分が、アシリパさんと出会ってちょっとずつ心がほぐれていくというのを表現できたらいいなと思っていました」と明かした。また肉体改造にも挑み、山崎は「体重は約10キロ増やしました」と告白。「強さを表すために、トレーニングや軍事練習もさせてもらった。日本の武道から来ている戦いを練習させていただいた」と杉元ならではの身体を作り、強敵と戦ったり、冷たい川に飛び込んだり、馬ぞりに引きずられたりと、激しいアクションにも臨んだ。久保監督は「普通は合成などにするシーンも、賢人くんは挑戦をしてくれる」と山崎の心意気に惚れ惚れ。山崎は「楽しみながらやりました」と笑顔を見せていた。
ヒグマに襲われた杉元を助けたことから相棒として旅をすることになるアイヌの少女、アシリパ役に抜てきされたのは山田杏奈。山田は「アイヌの少女ということで、文化的なことを学んで、アシリパさんの根底の考え方にはなにがあるんだろうというのは、監修の先生に教えていただきながら作っていきました」と回想。「信仰を大事にしつつ、合理的な考えをしているところもある。原作では『新しい時代のアイヌの女だから』と言っている。そういうところも役を作るうえで大事にしようと思っていました」と内面を大切にしながら、「私はほぼほぼ、アクションが初めて。走り方、立ち止まり方など、そういうところから教えていただいた。弓矢も家に持って帰って、カーテンに向けてうって練習していました」と弓の達人を演じるために、自宅でも練習に励んだと話していた。
最後に山崎は「スタッフ、キャストみんながそれぞれ愛とリスペクトを持って、魂を込めてつくった作品です」と改めて力を込め、「広大な北海道の自然があり、キャラクターにはそれぞれの正義や信念があって、それに向かって生きていて、そのなかでの人間ドラマがある。迫力のあるアクション、グルメの要素、囚人たちを探していくミステリーの要素、コメディの要素。クマも出てきます」とにっこり。「全部入っています!全部入っている、最高のエンタテインメント作品ができましたので、ぜひ大スクリーンで観ていただきたい」と胸を張っていた。
※山崎賢人の「崎」は「たつさき」、アシリパの「リ」は小文字が正式表記
取材・文/成田おり枝