主題歌はSaucy Dogの書き下ろし『52ヘルツのクジラたち』石原慎也は「そんな人を『信頼したい』という思いから作りました」

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主題歌はSaucy Dogの書き下ろし『52ヘルツのクジラたち』石原慎也は「そんな人を『信頼したい』という思いから作りました」

同名小説を成島出監督のもと、杉咲花、志尊淳はじめ最旬キャストが結集し贈る映画『52ヘルツのクジラたち』(2024年3月1日公開)。本作より、本ポスター、本予告が到着。あわせて主題歌をSaucy Dogが務めることが明らかとなった。

【写真を見る】貴瑚、アンさん、少年の3人の関係性が気になる本ポスター
【写真を見る】貴瑚、アンさん、少年の3人の関係性が気になる本ポスター[c]2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会

町田そのこによる原作「52ヘルツのクジラたち」は、2021年の本屋大賞を受賞し、すでに85万部を売り上げる圧巻の傑作ベストセラー小説。“52ヘルツのクジラ”とは、ほかの鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラのことで、たくさんの仲間がいるはずなのに、なにも届かない、なにも届けられず、世界で一番孤独だと言われている。主演の杉咲演じるのは、自分の人生を家族に搾取されてきた女性、三島貴瑚。ある痛みを抱えて海辺の街に越してきた貴瑚は、そこで母親から「ムシ」と呼ばれる、声を発することのできない少年(桑名桃李)と出会う。彼との出会いが呼び覚ますのは、貴瑚の声なきSOSを聴き、救いだしてくれた、いまはもう会えない安吾(志尊)との日々だった。

本ポスターは、東京から海辺の街に移り住んだ貴瑚の自宅の広い海を望む象徴的なテラスで、貴瑚を中心に安吾と少年が3人で静かに佇み群れている、海中を思わせるような幻想的な青が印象的な美しいビジュアルとなっている。本ビジュアルは、気鋭の若手写真家、八木咲が撮り下ろした。海と空の境で、穏やかな表情を浮かべる3人。貴瑚と少年は再生機器から流れる音をイヤフォンを共有し聞いており、安吾は貴瑚を優しく見つめ、貴瑚は安吾の方を見ているが、目線は交わしていない。彼ら3人の関係性が意味することはなんなのだろうか。さらに、そこにおかれたコピー「その声は、あなたに届く。」の“あなた”とは?

本予告は海中で鳴くクジラの声から始まる。「これは、クジラの声?」と尋ねる貴瑚の問いに、「この“52ヘルツのクジラ”の鳴き声は、ほかのクジラたちには聴こえない。世界で一番孤独なクジラって言われてるんだ」と答える安吾。続いて映しだされるのは岬に立つ貴瑚、見つめる先には髪の長い少年の後ろ姿。続いて、虐待を受けながらもヤングケアラーとして家族を支える貴瑚の過酷な日常と、虐待の跡を持ち「ムシ」と呼ばれる少年の悲しみがオーバーラップしていく。痛々しい傷を抱え、ふらふらと道路へ歩き出す貴瑚を間一髪救いだしたのは安吾。「なんで死のうとしたの?」と問う安吾に、「お母さんが、お父さんじゃなくて私が死ねって、お前が死ねって、だから私死のうと…」と、尋常でない様子で応える貴瑚を思わず抱きとめたのは、貴瑚の高校時代からの親友の牧岡美晴。安吾は優しい笑顔で「三島さん、新しい人生を生きてみようよ」と語り掛け、貴瑚は「生きたい…!」とせきを切ったように泣きだす。

転調して流れだすせつなくも明るい主題歌に乗せ、「もう貴瑚さんを自由にしてあげてください」と貴瑚の母に、柔らかい言葉で、でもキッパリと決別を告げる安吾。「人はきっと生まれ変われる。切ない痛みの先で人はもっと優しくなれる。」というナレーションの間に差し込まれるのは貴瑚を優しく抱きしめる宮沢氷魚演じる上司の新名主税の姿と、涙を零す安吾の横顔。安吾は、せつない表情で貴瑚に「僕は、キナコの幸せを祈ってる」と告げる。

Saucy Dogが本作のために書き下ろした主題歌のタイトルは「この長い旅の中で」。予告編のクライマックスに流れる「心が軋む音がしたら、クジラの声さ 君に届くか、ほんの少し信じてみたい この長い旅の中で」という歌詞だけでも胸が熱くなる。本作を手掛けた石原慎也は「僕自身、心から信頼する事がどうも苦手で『どうせ裏切られるかもしれない』『本来の自分を見てくれる人はいるのか?』と思いながらややこしく生きているんですが、そんな自分を1人の人間として見てくれる人が実はたくさんいて、ちゃんと怒ってくれたり、心配してくれたり。そんな人を『信頼したい』という思いから作りました」とコメントを寄せた。

なお今回、追加キャストも解禁。貴瑚の家の修理を手掛け友人となった村中真帆に金子大地、「ムシ」と呼ばれる少年の母、品城琴美役に西野七瀬、貴瑚の母親、三島由紀役に真飛聖、少年を可愛がっていた元隣人の藤江役に池谷のぶえと、実力派が脇を固める。


2024年、心揺さぶる1本になること間違いなしの『52ヘルツのクジラたち』。孤独な貴瑚と、彼女の声なきSOSを聞き救いだしたアンさん、そして一人の少年の物語を、ぜひ劇場で見届けてほしい。

文/サンクレイオ翼

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