【ネタバレあり】保志総一朗、「ガンダムSEED」キラ・ヤマトと歩んだ声優人生。最新作で探った“あのころのような弱さ”
「僕としても観たかった、キラに対しての愛を明確に描いている」
モビルスーツによる白熱のバトルシーンや、戦争が引き起こす悲しい物語が展開されてきた本シリーズ。そのなかで様々な恋愛模様が描かれてきたことも魅力の一つとして知られる。例えばアスランとカガリ・ユラ・アスハやメイリン・ホーク、マリュー・ラミアスとムウ・ラ・フラガ、アンドリュー・バルトフェルドとアイシャ、ディアッカ・エルスマンとミリアリア・ハゥなど。「SEED」の序盤では、ラクスと出会う前のキラがフレイ・アルスターと依存関係になり、友人関係に亀裂が入ったたこともあった。今作の本ポスターには、キラとラクスがメインに描かれていることに象徴されているように、『DESTINY』では具体的には描かれていなかった、キラとラクスとの恋愛シーンもありそうだ。
「『ガンダムSEED』の本筋はラブストーリーというわけではありませんけど、刻々と変化する情勢のなかで、それぞれのドラマが展開されていきます。キラとラクスには恋とか愛とか、そういったものを越えたもっと大きな絆があって、だからこそあえて2人の恋愛を想像させるシーンが無かったのかもしれません。きっと多くのファンの皆さんは『キラとラクス(の関係)は大丈夫』と感じていたはずですし、僕もそう思っていました。だけど今作では、2人の関係を脅かすものが登場しますし、キラとラクスが相手に対する素直な気持ちを言葉にするシーンがあって、そこは大きな見どころになってきます。『DESTINY』までのラクスの愛は、ともすれば『ガンダムSEEDシリーズ』全体を包み込むような大きさでしたが、今回は明確にキラに対しての愛を描いてくれていて、そこはスッキリしたと言うか、僕としても観たかったものが観られてよかったです」。
『機動戦士ガンダム SEED FREEDOM』は、コーディネイターとして生き方を決められて生まれた者たちが、なにを信じてどう生きるか、そして誰を愛するか。命を賭して運命にあらがい、本当の自由をつかむ物語だ。
「テレビシリーズで最初に“フリーダムガンダム”が登場した時から、“自由”はシリーズを通したテーマとしてありますし、そのなかでキラは、自分のやれることをやってきています。だからこそ『FREEDOM』でも、そんなキラの姿を観て、感動したりなにか感情を揺さぶられてもらえたらうれしいです。『FREEDOM』の世界を、そしてキラとラクスの愛の物語を、ぜひ何度も観て楽しんでほしいです」。
1月29日(金)から全国書店や一部上映劇場、MOVIE WALKER STOREにて販売開始となる「MOVIE WALKER ムック 永久保存版『機動戦士ガンダム SEED FREEDOM』Special Edition 運命に抗う意志」では、メインキャストやスタッフ陣のインタビューはもちろん、シリーズの理解に欠かせないキーワード解説や、SEED好きの著名人たちからの熱いラブレターなどを掲載。是非とも入手して、『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の作品世界をより深めてほしい。
取材・文/榑林史章